確かな収益の礎の確立

「自律」をキーワードとしたビジネスプロセス改革等により稼ぐ力を強化

ENEOSグループは第3次中期経営計画の策定にあたって3つの基本方針を定めました。そのうち、すべての出発点となるのが「確かな収益の礎の確立」です。当面の収益源を強化し、そこから得るキャッシュをエネルギートランジション実現への取り組みへ再配分します。この「確かな収益の礎の確立」における施策は以下の通りです。

第3次中期経営計画 基本方針

第3次中期経営計画 基本方針

製油所トラブルの改善

第2次中期経営計画で課題となった製油所トラブルについて、社内横断的に、また外部リソースも活用しながら改善策を検討し策定しました。トラブルの要因を、検査プログラム・老朽化等の設備要因と、工事品質・運転技術等の人的要因に切り分け、それぞれ対策を講じています。改善にあたっては、必要な補修費・人員等も適切に投入します。また、計画外のトラブルによる稼働率の悪化を「UCL※1」と 定 義し、改善状況をモニタリングしています。UCLを2022年度の9%から2025年度には3%にすることで、数百億円規模の収益改善を図ります。

  • Unplanned Capacity Loss

製油所トラブルの改善
製油所のデジタル化

石油・天然ガス開発事業の価値最大化

販売数量計画 販売数量計画

石油・天然ガス開発事業では「従来型E&P事業」と「環境対応事業」の二軸経営を進めています。「従来型E&P事業」では、温室効果ガスの排出が比較的少なく、脱炭素に向けた移行期のエネルギーとして世界的な需要拡大が見込まれるLNGについて、販売数量増に取り組みます。そのために、インドネシア・マレーシア等での既存LNGプロジェクト鉱区内の追加開発等を実施します。また、2023年6月には、パプアニューギニアにおけるLNGの権益取得契約を締結しました。このプロジェクトでは、CO₂を含む酸性ガスを地下に圧入するCCSの実施が計画されています。温室効果ガス排出量の少ないプロジェクトとして、2027年末から2028年初めの生産開始を目指します。今後も、東南アジア地域で培った豊富な知見や、各国政府との良好な関係を活かし、経営リソースの確保・拡充のための基盤事業として、さらなる収益改善を図ります。

  • インドネシア タングー第3トレイン増設プロジェクト

    既発見未開発ガス田の早期生産を可能とするためのトレイン増設プロジェクト

    将来キャッシュ・フローに長期的かつ大きく貢献

    権益比率 12.2%

    生産開始 2023年度 3四半期

  • マレーシアSK10鉱区 ヘランガス田追加開発プロジェクト

    既存生産設備を活用した鉱区内追加開発プロジェクト

    中期経営計画のキャッシュ・フロー創出に貢献

    権益比率 75%(当社オペレーター)

    生産開始 2024年度 3四半期(予定)

    販売量貢献 3千boed(2025年度見込み)

石油・天然ガス開発事業の価値最大化

半導体材料、情報通信材料の生産能力増強

半導体需要の拡大、特に先端半導体の成長を見据えて、顧客ニーズに合致する開発・材料提案を実施するとともに、市場成長を捕捉する拡張投資を実行してまいります。茨城県日立市および米国アリゾナ州メサにスパッタリングターゲットの新工場の建設をするとともに、茨城県ひたちなか市に新工場建設のための大規模用地を取得し、半導体用スパッタリングターゲットを中心とした半導体材料の生産能力増強を計画しています。

  • ひたちなか新工場立ち上げによる能力増強

    将来の先端素材需要拡大が見込まれるなか、既存工場のスペースには限界があるため、新規事業立ち上げに向けた拡張余地も考慮し、戦略拠点である茨城県に新工場を建設

    2025年度 各工程試運転開始予定

    2026年度 操業開始予定

  • 北米新工場立ち上げによる能力増強

    半導体ターゲットの需要拡大および同製品領域におけるBCPの重要性や顧客からの要請に応じ、安定供給体制を構築。同市場における高シェア維持に加え、他事業製品も含む新規事業展開のため、米国アリゾナ州に新工場を建設

    2024年度 半導体用ターゲット工程 稼働開始予定

    2026年度 その他戦略製品工程 稼働開始予定

半導体材料・情報通信材料の成長追求

その他中期経営計画の取り組み

関連情報