「明日のあたり前」を創る強力な組織体制を構築
第3次中期経営計画の3つ目の柱「経営基盤の強化」は、他の2つの基本方針を実践するためのすべての活動を下支えするものです。グループ運営体制の変更に加え、各事業領域においてダイナミックな転換をリードできる人材・インフラを強化すべく、人材戦略とデジタル戦略を推進し、「明日のあたり前」を創る強力な体制を構築します。
グループ運営体制変更
機能材事業、電気事業、再エネ事業の分社化
ENEOSグループの一翼を担う事業会社として、成果を見える化し、各業界における競争力を上げ、成長戦略と資本効率を追求する自律型経営へ移行する。
JX金属の上場準備
ENEOSホールディングスおよび100%子会社のJX金属のさらなる企業価値向上のため、JX金属の上場準備を開始し、独立経営体制を確立すべく将来的には持分法適用関連会社への移行を目指します。
ENEOSホールディングス
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JX金属の先端素材業界における高い成長性を株式市場に適正に訴求
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事業ポートフォリオ転換に必要な戦略投資や株主還元を機敏かつ確実に実行
JX金属
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事業特性に応じた迅速な意思決定を可能とする経営体制の確立
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最適な資本構成を実現し、競争力の高い半導体材料・情報通信材料の分野における各種戦略を実行
グループ人材戦略
長期ビジョンの実現に向けて「確かな収益の礎の確立」と「エネルギートランジション実現への取り組み加速」を進めるにあたり、当社は必要なスキルと人材像を特定し、人材戦略を定めています。基盤事業の確固たる収益の礎を築くためには、その技術・経験の伝承とさらなる能力開発が不可欠です。当社グループは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進はもちろん、シニア人材の処遇改善や能力開発機会の提供等を通じて、基盤事業を支える人材の能力が最大限発揮できるよう努めています。一方で、事業ポートフォリオの転換には人材ポートフォリオの転換が不可欠です。既存事業の経験者と他業種・他業態の経験者の持つ意見と知恵の融合が、新しいエネルギービジネスを生み出すとの考えのもと、新しい発想・能力を持つ人材の育成・獲得に注力しています。これらの実現には、従業員エンゲージメントの向上が不可欠です。会社の経営方針や課題について理解を深め合うため、マネジメントと従業員の直接対話の場を定期的に設けています。並行して従業員エンゲージメント調査も継続していきます。また、高い意欲を持つ人材を積極的にポストに登用する人事制度や、システムを活用し、個性や能力を活かす人材配置を進めます。
「今日のあたり前」を支え、「明日のあたり前」をリードする人材戦略
DX推進の原動力強化
経営基盤の強化施策の1つとして、デジタル戦略を策定しました。デジタル戦略では、基盤事業、成長事業およびカーボンニュートラルの各領域におけるデジタル技術の活用方針を定めた「DX重点テーマ」と、デジタル人材育成、データ活用、ITガバナンス、共創機会という4つの「DX推進の原動力」の強化方針を定めています。第2次中期経営計画までに培った経験・知見を土台として、第3次中期経営計画ではデジタル人材の育成を重点要素と設定し、育成の目標人数を定め邁進していくことで、継続的な事業変革、収益貢献へとつなげていきます。
各事業領域における重点テーマ
ENEOSにおけるデジタル人材育成
第2次中期経営計画から継続し、デジタル人材の育成に注力します。第3次中期経営計画からは新たに4段階のレベル認定と3つの人材類型を導入し、人材類型ごとに「研修」と「実践」を組み合わせることで育成を加速させていきます。DXプロジェクトの中核を担う人材の育成を進めていくことで、必要なスキル獲得と適材適所の人材配置を促進します。
ビジネスデザイナー:
業務変革の立案や新規事業の立ち上げ、DX推進全体に一貫して関与・貢献する。
DXコーディネーター:
関係者の巻き込みを図り、適切な協力関係を構築しながら、製品・サービス/施策の具体化およびQCD(品質、コスト、納期)を担保する。
データアナリスト:
業務変革や新規事業創出に向けた仮説を立案し、データを活用して仮説の検証・示唆の導出を行う。