化学物質の適正管理
基本的な考え方
ENEOSグループでは、取り扱う化学物質について「特定化学物質の環境への排出量の把握および管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」などの法令に基づき、適正管理と排出抑制に努めるとともに、健康や環境への影響が少ないものへの切り替えを進めています。
また、その他の化学物質についても適正に管理しています。
主な取り組み
PRTR法に基づいた指定化学物質の管理・監視
ENEOSグループは、PRTR法に基づき、ガソリンに含まれるベンゼン、トルエン、キシレンなどの指定化学物質の排出量および移動量を適正に管理・監視しています。
2018年度は、排出量が前年度比88トン減少の1,828トン、移動量が前年度比24トン減少の384トンでした。
- ※マークについては編集方針をご確認ください。
指定化学物質の排出量

指定化学物質の移動量

- ※上記に関連する詳細データについては、データ編をご参照ください。
PCB※1特措法に基づいたPCB廃棄物の管理と無害化処理
ENEOSグループでは、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(以下PCB特措法)に基づき、PCB廃棄物の保管の届出および計画的な処理を実施しています。
JX金属苫小牧ケミカル(株)では、低濃度PCB廃棄物処理の環境大臣認定を取得して無害化処理を行うことで、ストックホルム条約※2の遵守にも貢献しています。
詳細は、低濃度PCB廃棄物の無害化処理事業をご参照ください。
- ※1PCB(ポリ塩化ビフェニル):電気絶縁性が優れていることから、主としてトランス(変圧器)、コンデンサ(蓄電器)などの絶縁油や感圧複写機などに使用されていたが、現在は新たな製造・輸入が禁止されている化合物。
- ※2ストックホルム条約:PCBを含む残留性有機汚染物質の製造、使用および適正処理などを規定した条約。
廃アスベスト無害化処理への対応
過去に大量使用されたアスベストを含む廃棄物の処理は、大きな社会問題となっています。
JX金属環境では、アスベストの溶融無害化処理事業を行い、社会からの処理ニーズに応えています。2018年度は、約3,988トンの廃アスベストを処理しました。
欧州REACH規制への対応
欧州連合(EU)は、「予防原則」の考えに基づき、域内に流通する化学物質を統一的に管理して化学物質の特定やリスクを把握し、環境への影響を明確にするため、2007年6月に「REACH規制」を施行しました。
ENEOSグループでは、この規制の趣旨を尊重し、JX金属グループにおいて該当する製品の予備登録を完了しました。
また、ENEOSでは、欧州域内へ輸出する可能性のある化学物質について以下のとおり登録を完了しました。
輸出量1,000t/年以上 | 2010年11月 |
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輸出量1,000t/年未満100t/年以上 | 2013年5月 |
輸出量100t/年未満1t/年以上 | 2018年5月 |
商品化学物質ガイドラインと化学物質管理への対応
ENEOSでは、化学物質管理基準を自主的に定めています。
使用禁止または廃止する物質(多くの有機塩素化合物、水銀化合物、鉛化合物等)および使用を監視する物質(フタル酸エステル類、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物等)を定め、商品への使用を管理することにより、その有害性の低減に努めています。
また、SDS※などを通して、必要な製品の安全性情報をお客様、製品に関わるすべての方に提供するようにしています。危険有害性・環境影響に関して新たな知見が得られた場合は、速やかにSDSの改訂を行います。
- ※Safety Data Sheet(安全データシート)。
低濃度PCB廃棄物の無害化処理事業(JX金属苫小牧ケミカル)

JX金属苫小牧ケミカルは、2014年3月に北海道内初の低濃度PCB廃棄物の無害化処理施設として環境大臣認定を受けて以降、処理能力の向上に取り組んでいます。
PCBを含む廃棄物の処分については法律により期限が定められており、2027年3月31日までに自ら処分するか、処分を他人に委託する必要があります。一方、低濃度PCB廃棄物そのものだけでなく、トランス本体やドラム缶等の廃棄物を含め焼却処理で無害化できる施設は、同社を含め全国で27カ所(焼却処理施設)、また洗浄法による処理施設は12カ所にとどまっており(2019年9月現在)、低濃度PCB廃棄物は処理が追いついていない状況です。
今後も産業廃棄物処理の安定操業を続け、地域社会の環境保全に貢献していきます。
低濃度PCB廃棄物 完全無害化処理フロー

処理品目追加状況
処理品目 | 処理能力 | |
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2014年3月(大臣認定) |
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個体物:6トン/日 (1バッチ2トン×3バッチ) 廃油:8.4KL |
2015年3月 | 自治体と事前協議不要で道外品の受け入れが可能となる。 | |
2015年9月(大臣認定[追加]) | 処理可能サイズ拡大 幅:2.5m/奥行:1.5m/高さ:2.3m | |
処理品目増加
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処理能力増加 個体物:12トン/日 (1バッチ4トン×3バッチ) |
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2018年3月(大臣認定) | 処理品目増加
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