第39回(2008年)
JOMO童話賞
【一般の部 最優秀賞】

黄いろいぼく作者:中村洋子

黄いろいぼく

 呼び戻す声がして、おじさんはビルの路地を抜けていった。
 ありがとう、おじさん。これでぼくは綿毛になって飛んでいくことができるよ。
 ぼくたちがだれかに笑いかけると笑顔が返ってくる。その笑顔から星くずのカケラみたいなキラキラした光がこぼれるんだ。その光をあびるとぼくたちは種になる準備がはじまる。  ぼくは空のかなたのうす雲をまきこんで、空気をたっぷり含んだミルク色の綿毛をつくる。軽くてふわふわ漂うぼくの羽はうんと遠くまで飛んでいけるんだ。種を運ぶために。
 ぼくは綿毛を風に乗せるために背伸びをした。風が少しずつ綿毛をさらっていってくれる。狭い路地のあいだからぼくは高く飛ぶ。
 今度はどんな場所に根をおろすのかな。どこでもいい! ぼくは思いっきり咲くだけだ。そうすればきっとだれかが笑顔になる。
 思い描くと楽しくて、ぼくは羽をひろげて風に乗る。

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