第40回(2009年)
JOMO童話賞
【中学生の部 最優秀賞】

ポピーさん作者:福澤麻里菜

ポピーさん

「どうかしたんですか?」
「わたしは魔法がにがてで、おいしい料理も作れないんです。」
 思いもよらぬ言葉に、わたしは驚きの表情をかくせない。でも、そのあとの話を聞いて、わかった。魔女の世界では、自分の着る服も、食べものも、魔法で出さなければならないという。ポピーさんは魔法がにがてなので、いつもまずい料理ばかり食べているというのだ。わたしは、魔女というのは、魔法でなんでも出せて、自由に暮らしていると思っていた。でも、ポピーさんを見ていると、とてもそうとは思えない。
「クレープをくれたお礼に、なにかプレゼントしたいんだけど……。」
 ポピーさんは少し弱気に言った。そんなに、自分の魔法に自信がないのかな。わたしはそう思いながらも、ねこのぬいぐるみがほしいな、とポピーさんに頼んだ。すると、どこから取りだしたのか、魔法のステッキを手にし、なにやら呪文をとなえはじめた。
「エイ!」
 ポピーさんのかけ声とともに、とてつもない光がステッキから放たれた。その光が消えていくにつれて、なにかが光の中から飛びだしてきた。よく見ると……。ねこ? わたしはねこのぬいぐるみを頼んだのに、ねこが出てきてしまった。
「本物のねこが出てきてしまうなんて……。」
 ポピーさんは、またまた落ちこんでしまった。
「ぬいぐるみより、本物のねこのほうがかわいいよ。ポピーさん、ありがとう。」
 わたしはねこをもらって、とてもうれしい。でも、ポピーさんの魔法は練習しないとだめみたい。
「ポピーさん、今度は子ねこを出してみて。」

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