第44回(2013年)
JX-ENEOS童話賞
【一般の部 優秀賞】

あかりや作者:廣井礼子

あかりや

「これなんて、いかがでしょう。」
 こぎつねが さしだしたのは、ぎんいろの ろうそくです。
「こころが しんと しずかになる つきの いろです。おつきさまを いちばん ちかくに かんじるときの つきの いろですよ。」
 ふくろうが めを ほそめました。
「ああ、たしかに まよなかに ひとりで みる おつきさまの いろじゃのう。」
 ふくろうは、うれしそうに ぎんいろの ろうそくを くわえて とんでいきました。

 ろうそくの あかりに さそわれたのか、つぎつぎに おきゃくが やってきました。
 きがつくと、たくさんあった ろうそくは、すべて うりきれていました。
 
「くまさん、これ あげる。」
 こぎつねは、はじめに つけた きいろいろうそくを くまに わたしました。
「さいごの いっぽんを いいのかい。」
 くまが しんぱいして きくと、
「だいじょうぶ。」
 こぎつねは、そとを ゆびさしました。
 すると、どうでしょう。もりの あちこちに、あかるい あかりが、おおきく ちいさく ゆれていました。まるで、もりぜんたいが ひとつの ろうそくの ようです。
「このふゆは、いつも どこかで、あかりが ともっているよ。あかりの そばには、だれかが やさしく わらっているよ。」
 こぎつねは、うれしそうに いいました。
「だから、さびしくないんだ。」
 くまは、おおきく うなずくと、あんしんして、いえに かえっていきました。
 こぎつねは、まどべに すわると、もりの あかりを みつめました。もりの あかりは、こぎつねの こころを いつまでも いつまでも やさしく てらしつづけました。

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