ぼくには、だれにもいえないヒミツがある。じつは、ぼくは、小学三年生のけいさつかんなのだ。けいさつ犬「チョコ号」と協力してわるいはん人をタイホするのが、ぼくたちのヒミツのニンムだ。
ぼくは、クラスで一番せがひくい。チョコは、かわいいビーグル犬だ。小さな子どもと、かわいい犬だとゆだんさせて、はん人をタイホするのがぼくたちの計画だ。
チョコは毎日、フェンスのすきまから、道を通る子どもたちを見守っている。
子どもをねらう、あやしい人がいたら、すぐにぼくに知らせることになっているのだ。
ある日、ついに事件が起きた。
チョコが、あやしいはん人を発見したのだ。チョコは、ぼくにそのことを知らせようと、首わをひきちぎり、フェンスをとびこえて、ぼくの学校まで走ってきた。そして、くつ箱をすりぬけ、ぼくをさがして、学校の中を走り回った。学校中が、
「犬がいる!」
と、大さわぎになった。
ざんねんながら、チョコは二かいのホールで、わけを知らない先生につかまってしまった。ぼくの教室まで、もうすこしのところだった。ぼくは、その時はまだ、チョコが学校に来ていることを知らなかった。しばらくして、教頭先生が、ぼくの教室へやってきた。
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