ぼくたちは、もち米。おばあちゃんの友達の山田さんが、一生けん命ぼくたちを作ってくれた。
つやつやのはだ。みんな、
「りっぱで、おいしそうなもち米だ。」
と、ほめてくれる。
今日は、十二月二十九日。とても寒い日。ぼくたちは、これからお正月につかうおもちに変身する。まごのあいちゃんは、おもちができるのをとても楽しみにしているようだ。
「ばあちゃん。いつできるの?」
「こういう作ぎょうは、手をぬげばまいねぇんだ。ていねいに作んねばまいね。」
と、おばあちゃんは、ぼくたちを大きなボウルに入れ、水をかけはじめた。
「わあっ。冷たい!!まるでプールみたいだ。」
ぼくたちは、丸一日、冷たいプールにひたされていた。
つぎの日、ざるにあげられたぼくたちは、おばあちゃんに一つぶのこらず大事に白い布につつまれ、大きなむしなべに入れられた。
「ふうー。ここは、むしあついなあ。まるでサウナみたい。」
今までの受賞作品をカテゴリ毎に分けて
ご紹介しております。