会計学
決算資料を読み解くキーワード
決算資料を読み解くキーワード
マージンとは、販売価格から原油代などの原料コストを差し引いた部分(下図参照)のことを指しており、ここから精製・販売コストを除いた部分が利益となります。ENEOSグループの決算資料では、国内全体の市場環境を捉えていただくためのマージン指標として、 当社グループの損益に与える影響が大きい白油4品とパラキシレンのマージン※1を記載しています。
※1 マージンの単位は白油4品:円/L、パラキシレン:$/トンです
▼タブをクリック
白油4品マージン = 白油4品の平均スポット価格※2 - 全国通関原油CIF※3など
※2 長期契約によらず、1回の売買(スポット)取引ごとに市場で決定される価格の平均
※3 日本全国で輸入した原油が税関を通過した時点での、原油CIF価格平均(原油価格+保険料+運送料)…財務省統計
白油4品とは?
⇒ 無色透明に近い油種である「ガソリン」・「軽油」・「灯油」・「A重油」の総称です。
ガソリン
軽油
灯油
A重油
例えば、季節要因(レジャー期のガソリン需要や冬季の灯油需要など)により、需給バランスが変化した場合にマージンは変動します。
【マージン変動による業績へのインパクト】
白油4品の販売量が5,000万kL(年間)だとすると、白油4品マージンが±1円/L変化した場合、
損益へのインパクトは単純計算で±500億円(年間)となります。
パラキシレンマージン =アジアの主要価格(ACP※4) - 原油 または ナフサ価格
※4 Asian Contract Price … アジア契約市場における指標価格→未決の月はスポット価格の平均値を使用
パラキシレンとは?
⇒ ポリエステル繊維やペットボトルなどの原料となる化学品です。PXと表記することもあります。
ポリエステル繊維
ペットボトル
パラキシレンの長期的な需要は世界経済の成長に伴って増加する見通しですが、短期的にはアジアを中心とした需給バランス(パラキシレン製造装置や、パラキシレンを原料とする化学品製造装置の稼働状況など)が影響します。