製油所の安全対策ツールを紹介!<2025年度環境安全フォーラムレポート 第1回>

2026.1.13
各所の活動
ENEOS 環境安全部

ENEOSでは、グループ全体が一丸となって安全・環境対策を推進するために、毎年「環境安全フォーラム」を開催しています。今年度は11月26日に開催され、グループ全体での取り組みの共有や特別講演のほか、製油所で実際に使われている安全保護具やデジタルツールなどが展示されました。こちらのフォーラムの様子を、全3回に分けてレポートしていきます。本記事(第1回)では、安全対策のサービスやツールを提供する各社へのインタビュー内容を取り上げます。

この記事の目次

コミュニケーションから安全を創出 -JGC Digital 株式会社「アザスアプリ」

JGC Digital株式会社
日揮ホールディングス株式会社と株式会社神戸デジタル・ラボの合弁会社として、ITサービスの企画・開発・運用・販売(商品化委託)事業を行う。

<サービス導入の経緯>
現場の監督が作業者の行動を称賛する「称賛コミュニケーション」によって、現場で陥りがちなコミュニケーション不足を解消し、互いの安全を気遣う風土をつくる「アザスアプリ」。ENEOSでは、安全を守るためにより雰囲気の良い現場をつくりたいという思いから、根岸製油所や大分製油所でいち早く本サービスを導入しました。監督と作業員のより良い関係性を築き、声かけによる安全対策が期待できると現場からの評判も高く、その後全国の製油所でも利用を開始しました。

本サービスの特徴を教えてください。

アザスアプリは、主に建設現場などの安全文化を築くためのコミュニケーションツールです。監督者から作業者へ「ナイスアクション」に対する称賛(アザスポイント)を送り、ポジティブな行動を促進します。監督と作業員が遠い関係性であっても、名前を知ってコミュニケーションをとることで現場の安全を創ります。

導入後、どんな声がありましたか?

現場でのコミュニケーションがガラリと変わったという声をよくいただきます。以前までは現場監督が見回りにくると、「怒られる…!」という意識が自然と刷り込まれていたそうです。ですが、声をかけるきっかけが作業員のよい行動を褒める「称賛」に変わったことで、指導の言葉も「アドバイス」としてポジティブに受け取られるようになりました。その結果、作業員が積極的によい行動を心がけ、互いの安全にも気を配る声かけ文化が活発になったそうです。

称賛によるコミュニケーションが現場の安全対策強化につながっているんですね!特に反響のあった機能はありますか?

称賛とともに付与される「アザスポイント」は、現場で独自に設定した景品と交換できるという機能があります。ENEOSの製油所では、この機能を使ってENEOSオリジナルグッズに交換することができ、エネゴリくんグッズは家族にも喜ばれるなど、現場以外でも嬉しい変化が起きているそうです。

家族のためにも、安全対策やよい行動を心がけようというモチベーションが高まりますね!

ほかにも、入力から提出まで簡単にできる「ヒヤリハットレポート」は、現場で起こったヒヤリハットを効率的に収集・閲覧できるため、一人ひとりの安全に対する意識が高まります。これにより、現場の事故や災害を未然に防ぐ効果が期待できます。

今後の展望はありますか?

アザスアプリがきっかけとなり、アプリなしでも良好なコミュニケーションがとれる現場づくりに貢献していきたいです。そこから、お互いを思いやる安心・安全な製油所として、安全対策の強化にもつながればと思います。

歩き方で危険を回避 -マイクロストーン株式会社「THE WALKING® 転倒リスク歩行健診システム」

マイクロストーン株式会社
人の動きや機械の振動を計測するモーションセンサー技術を利用した製品の開発・製造・販売を行う。

<サービス導入の経緯>
歩き方を解析することで「転倒リスク」や「歩行特徴」を数値化し、最適な「歩行改善体操」も提示する「THE WALKING® 転倒リスク歩行健診システム」。製油所では転倒による労働災害の件数の多さが課題になっていたため、ENEOSの現場に最適なこのサービスに着目しました。他のサービスと比較検討した際に、たった1分で気軽にできる歩行改善体操が決め手となり、本サービスの導入に至りました。

本サービスの特徴を教えてください。

このシステムは、背中と腰にセンサーを付けて約10m歩くだけで、AIが転倒リスクと歩行特徴を瞬時に計測・評価する健診システムです。さらに、計測結果に基づいてその人に合った歩行改善体操も提案します。始業前や起床後などで簡単にできる運動なので継続性が高いのも特徴の一つです。

導入後、どんな声がありましたか?

自身の歩き方を客観的に見ることで、気づかなかったクセや転倒リスクを知るきっかけになります。その結果、日頃から歩き方を意識するようになり、効果が期待されていた「つまずき」や「滑り」による転倒事故が減りつつあるそうです。

普段意識しない歩き方こそ、日頃からの注意が重要ですね!特に反響のあった機能はありますか?

このシステムの強みでもある「歩行改善体操」は、朝やスキマ時間を利用して習慣化されているそうです。腕の振り方や体幹トレーニングなど「転びにくい身体づくり」が負荷なくできていると、世代を問わず好評です。一定期間を置いて再計測することでどんどん転倒リスクを減らしていけるので、引き続き現場のみなさんにはこの機能を最大限に活用してほしいです。

楽しく続けながら安全対策を強化できるんですね!今後の展望はありますか?

計測人数が増えていけばデータの有効性検証にも役立つため、より多くの製油所への導入を目指しています。現在は一部の製油所で試験的に使用されていますが、他の製油所にも歩き方の改善が必要な方がまだまだいるはずです。製油所においては一つの転倒が大事故につながってしまう可能性もあるので、歩行改善という方法でみなさんの安全を守っていきたいと思っています。

オーダーメイドで安全性を強化-ミドリ安全株式会社「安全靴・作業服」

ミドリ安全株式会社
安全靴をはじめとする安全衛生保護具や環境改善機器、電気計測器など、働く人たちの安全や健康を守る商品の企画・開発・製造・販売を行う。

<サービス導入の経緯>
1952年に安全靴メーカーとして創業以来、豊富な知識とノウハウ、革新的な商品・技術開発力で国内トップシェアを誇るミドリ安全株式会社。製油所では、火災や爆発など危険性の高いリスクが多くあることから、信頼と実績のあるミドリ安全がオーダーメイドした「安全靴」と「作業服」を導入しています。

ENEOSが使用している「安全靴」にはどのような特徴がありますか?

安全靴は全国の製油所とサービスステーションに導入していますが、ENEOS仕様としている点は、現場で起こりやすいつまずきや転倒を防止するために「つま先が上がった」設計を施しているところです。安全に業務が行えるように、そういった細かなところで設計にこだわることが私たちの仕事でもあります。また、製油所の作業服には万が一の事故などに備えて「難燃性」の高い素材を採用しており、デザインもそれぞれENEOSオリジナルのものを製作しています。

製油所ならではの危険に特化した保護具なんですね!

当社では、足の疲労を軽減する安全靴を開発しています。この技術を活かすことで、足を保護する危険回避だけでなく、「疲労を軽減して、快適性を促進する」といった安全対策を実現しています。

快適性が安全対策の強化にもつながっているんですね!今後の展望はありますか?

企画・開発から手がけるミドリ安全だからこその、「お客様と一緒につくりあげていくスタイル」をこれからも大切にして、現場の課題や要望に応じた最適な製品を提供しつづけたいです。

まとめ

製油所には、組織のコミュニケーション不足による危険だけでなく、転倒リスクなど個人の注意が必要な危険も潜んでいます。ENEOSグループは、製造現場で勤務する社員が安心・安全に働けるだけでなく、製油所近辺にお住まいの皆さまも安心・安全に暮らせるよう、あらゆる面から徹底した安全対策を推進してまいります。