カーボンニュートラル基本計画
エネルギー・素材をめぐる国際情勢は不確実性がより一層高まっており、社会の変化に柔軟に対応することが必要です。
ENEOSグループは第4次中期経営計画と合わせて、カーボンニュートラル基本計画を改定し2025年5月に公表しました。
この計画は、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に挑戦する指針とロードマップを示したものです。
不確実性に対してより柔軟に対応するために3つの社会シナリオを策定し、当社グループ排出削減および社会の排出削減への貢献に関する目標を設定しました。
ENEOSグループは、エネルギー・素材における創造と革新を通じ、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会実現」との両立に今後も挑戦していきます。
ENEOSグループのカーボンニュートラル指針

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安全性(Safety)を大前提として、安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時に実現する考え方
ENEOSグループの想定する社会シナリオ
ENEOSグループは、不確実性に対してより柔軟に対応するために3つの社会シナリオを想定しました。
時代とともに変わりゆくお客様と社会のニーズに応え、必要とされるエネルギー・素材を確実にお届けできるよう、複数の社会シナリオに備えた取り組みを合理的に推進します。

:1850~1900年を基準とした2100年までの平均気温の上昇幅
:2020年の排出量を基準
ENEOSグループの温室効果ガス排出削減
ENEOSグループは、国や社会と共に温室効果ガスの排出削減を推進し、2040年度をめどに政府目標の73%削減および2050年度までの当社排出分のカーボンニュートラル実現に挑戦します。
需要に応じた適正な原油処理、省エネ・燃料転換・再生可能エネルギー等を利用した製造・事業の排出削減、カーボンクレジット等の活用により排出削減に努めます。
また、CO2を地中に回収・貯留する技術であるCCSの活用や、森林吸収等によるカーボンクレジット創出に取り組んでいます。

主な取り組み:
社会の温室効果ガス排出削減への貢献
ENEOSグループは、2050年度カーボンニュートラル実現に向けて、社会における温室効果ガス排出削減の要請に応えるため、トランジションに必要となるエネルギー・素材の供給をリードします。
エネルギー・素材のトランジションにおいては、化石燃料・製品の低炭素化、再生可能エネルギーの拡大、バイオマス等の資源利活用、化石燃料の脱炭素化、水素の利活用に取り組んでいます。
2040年度までにエネルギー供給当たりのCO2排出量(CI)の20~50%の低減、削減貢献量(エネルギー)として1,500万トン-CO2e、削減貢献量(素材)として350万トン-CO2eを目指します。
また、循環資源の活用・省資源化の取り組みによるサーキュラーエコノミーを推進しており、2040年度までにグリーンケミカル比率35%、グリーン潤滑油生産量20万KLを目指します。

:持続可能な航空燃料
:Carbon Intensity…エネルギー供給量(MJ)あたりのCO2排出量(g)の指標。今後SSBJ(サステナビリティ基準委員会)気候変動関連基準の適用を考慮の上、必要に応じて変更
:削減貢献量:従来の製品・サービス(ベースライン)と新たな製品・サービスのGHG排出量の差分であり、製品・サービスを通じて社会全体の気候変動の緩和への貢献を定量化したもの
(GXリーグの指針に基づき経済産業省の分野別技術ロードマップに整合する排出削減施策を対象に推算。エネルギーはストックベース、素材はフローベース):ナフサクラッカー由来の製品生産量に対するグリーンケミカルの製品比率
主な取り組み:
循環型社会の実現を目指して
エネルギー・素材のトランジションに加え、循環型社会の実現に向けた取り組みも一体的に推進します。
当社グループは、循環型社会実現に向けて、下記3つの行動指針を定めました。
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限りある資源を守る
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環境への付加を減らす
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社会変化を機会と捉える
これらの行動指針をもとに、循環資源を活用した製品の供給や省資源化に寄与する素材・サービスの提供を行います。
また、廃棄物の利活用及び資源循環の取り組みに必要なクリーンエネルギーの供給を担うことでサプライチェーン全体のCO2排出を削減します。
そして、消費者の行動変容や環境貢献の価値化といった社会変化を機会と捉え、サーキュラーエコノミーを推進することで、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献していきます。
主な取り組み:
