合成燃料の大型商用プラントの稼働を目指す
自動車や航空機などの運輸部門におけるCO₂排出量の大幅削減、カーボンニュートラル化へ向け、当社では既存の石油製品(ガソリン、ジェット燃料、軽油など)の代替が可能である「CO₂」および「水素」を原料とした「合成燃料」の製造技術の開発に取り組んでいます。
「産業排ガスや大気から回収したCO₂」および「再生可能エネルギー(再エネ)由来の水素」を原料として製造される「合成燃料」は、製品ライフサイクル全体においてCO₂排出量を抑えることのできるカーボンニュートラル燃料で、社会の温室効果ガス排出削減に貢献することができます。
ENEOSグループは、2022年4月に採択されたグリーンイノベーション基金(GI基金)※の支援のもと、合成燃料の早期製造技術確立および社会実装を目指します。
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日本の「2050年カーボンニュートラル」に向けた経営課題に取り組む企業等に対して、国が10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する事業。水素・燃料アンモニア産業を含む、エネルギー関連産業、輸送・製造関連産業、家庭・オフィス関連産業の分野が対象。
事業方針
・CO₂および水素を原料とした合成燃料製造技術の確立
・2022~2025年度:小規模プラントでの技術実証
・2024~2028年度:パイロットプラントでの技術実証
主な取り組み
再生可能エネルギー由来の合成燃料の製造技術開発
ENEOSグループは、合成燃料を高効率に製造する独自プロセスの早期技術確立を目指しています。過去に当社が参画した日本GTL技術研究組合(※)で培った技術を活用し、再エネからジェット燃料や軽油を含む多様な液体燃料製造プロセスの開発を推進しています。
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2006年10月に石油資源開発、千代田化工建設、コスモ石油、新日鐵住金エンジニアリング、国際石油開発帝石、新日本石油(各社名当時)の6社で設立。本組合と(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(現名称:(独)エネルギー・金属鉱物資源機構)の共同研究として2009年~2011年に500バレル/日の実証試験を実施、商業規模で利用可能なGTL技術を確立した。
合成燃料の製造工程
合成燃料製造プロセスの商用化に向けて
ENEOSグループは、合成燃料の商用化に向けて、国と歩調を合わせた開発を進めており、2022年度からスケールアップ実証を開始、2024年度から当社中央技術研究所敷地内にて1バレル/日規模の実証プラントの運転を開始しています。研究開発とスケールアップ実証を通じて早期技術確立を進め、地球環境にやさしい「合成燃料」製造を近い将来に実現させたいと考えています。
合成燃料製造プロセスの研究開発計画
関連事業
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石油製品ほか事業
ENEOSグループは、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向け挑戦します。
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再生可能エネルギー事業
再生可能エネルギー発電所の開発・運営を通して脱炭素社会の実現に貢献します。