製油所のデジタル化
製油所のデジタル化

Digitalization at refineries

製油所のデジタル化

段階的なデジタル技術導入により、安全・安定操業、収益最大化、業務効率化を実現し、競争力のある製油所・製造所を目指す

ENEOSグループは長期ビジョンとして、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」の両立に向けた挑戦を掲げています。その実現に向け、第3次中期経営計画のデジタル戦略として、確かな収益の礎の確立とエネルギートランジションの実現に向けて、デジタルトランスフォーメーション(DX)を一層加速させていくことを重要施策と位置づけています。製造部門では、製油所・製造所の安全・安定操業に資するデジタル技術の段階的な導入を進めており、高度なエネルギー・素材供給をデジタル技術によって支え、お客様への安定的な供給を維持できるよう努めてまいります。

主な取り組み

デジタル技術活用

製油所・製造所のトラブル未然防止、業務効率化、生産性向上の有効な手段としてIoT、ビッグデータ、AI、ロボティクス等のデジタル技術活用を図っています。
2040年AI・ロボットによる操業自律化を目指し、デジタル技術の開発および導入・展開においては、製油所・製造所の操業に関連する業務に合わせ、①プラント運転制御の高度化、②現場点検作業の確実性向上、③設備管理の信頼性向上の3つの分野でそれぞれ活動を行っています。

プラント運転制御の高度化

①プラント運転制御の高度化

AIを用いた自動運転システムの開発

製油所・製造所の運転制御は大規模かつ複雑であり、長年の経験に基づいた運転ノウハウが求められますが、人の技量に左右されない安定運転を確立するため、AIを用いた自動運転システムを開発しています。2021年には川崎製油所石油化学プラント内のブタジエン抽出装置の国内初のAI自動運転に成功し、その後活用を継続しています。さらに、2023年には大規模な石油精製プラントである常圧蒸留装置においても常時自動運転を達成しました。開発したAIシステムは、手動操作を超える経済的で安定的かつ高効率な運転を達成し、製油所の保安力の向上に貢献します。

現場点検作業の確実性向上

②現場点検作業の確実性向上

デジタル技術(モバイルデバイス、ドローン、ロボット等)を活用した現場業務の高度化

製油所・製造所では定期的な巡回点検などにより安全安定操業を維持していますが、その効率性をさらに高めるため、モバイルデバイス(タブレット等)の活用が進んでいます。また、確認が困難な高所・狭小箇所の点検や災害時の現場確認にはドローンが有効であり、すでに複数の製油所・製造所にて活用しています。さらに今後は、ドローンの自動航行により、広大なタンクエリアの点検の効率化、トラブルの早期発見を図ることを計画しております。
また、将来的には陸上移動防爆ロボットの導入、外面腐食点検に関する画像データのAI処理などにより、現場巡回点検の高度化を目指します。

設備管理の信頼性向上

③設備管理の信頼性向上

デジタルツイン基盤による設備データの一元管理

製油所・製造所においては、各設備・機器の設計図面、仕様書、補修履歴、プロセスデータ、設備の三次元情報など、様々なデータを用いてプラントの運転やメンテナンスを行っています。複数のシステムに点在しているこれらのデータをデジタルツイン基盤に集約することで、設計から運転、メンテナンスまでの業務に必要なデータの一元管理や業務のシームレス化が実現できます。このデジタルツイン基盤を、業務効率化や製油所・製造所のトラブル未然防止に向けた信頼性向上のためのエンジニアのコンシェルジュ的なツールと位置づけ、導入を進めています。

関連事業

  • 石油製品ほか事業

    石油製品ほか事業

    ENEOSグループは、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向け挑戦します。

関連情報