堀田茜さんが「ENEOSスカイサービス 羽田事業所」を取材 ラジオ&YouTube収録を実施

2025.12.9
事業紹介
ENEOSスカイサービス

 当社協賛ラジオ番組「ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-」(毎週土曜14:00-14:30J-WAVEにて放送)でナビゲーターを務める堀田茜さんが、東京都大田区の羽田空港内にある「株式会社ENEOSスカイサービス 羽田事業所」を訪れ、どんな事業を行っているのか取材しました。

 ENEOSスカイサービスは、2019年に設立された飛行機への「燃料給油事業」を専門とする会社です。ENEOSグループが長年手がけてきた航空燃料の業務を引き継いでいるため、50年以上の歴史を有しています。

 燃料給油事業とは、その名前の通り、飛行機の燃料を給油する仕事です。現在、ENEOSスカイサービスでは「稚内・千歳・函館・大館能代・庄内・羽田・関空・伊丹」といった全国8つの空港でサービスを展開しており、国内外様々な航空会社に燃料を供給しています。

飛行機への給油作業を行っているところ

 車はガソリンスタンドで給油しますが、飛行機は専用の給油車両を使って給油します。飛行機には翼や胴体の中に燃料タンクがあり、ENEOSスカイサービスの給油担当者はどのタンクにどれだけ燃料を入れるかをコントロールする「給油スイッチ」の操作をします。

 また、飛行機に給油するための給油車両が常に安全に動かせるよう、点検や整備も行っています。さらに、燃料そのものに異常がないかを確認する「品質検査」も大切な業務です。飛行機が安心して飛べるように、燃料の品質を厳しくチェックしています。

 ENEOSスカイサービスにはもうひとつ、大きな業務として「給油施設管理事業」があります。飛行機に使用されるジェット燃料は、空港の近くにあるタンクに保管されていますが、そのタンク内の燃料の品質管理や給油施設を安全に維持・管理するのが給油施設管理事業です。ENEOSスカイサービスでは、「伊丹・稚内・大館能代・庄内」といった空港でこの業務を担っています。

 羽田空港をはじめとした民間の旅客機に給油しているのは「Jet A-1」というジェット燃料で、成分は家庭で使用される灯油に近く、航空機専用の燃料として特別な添加剤が加えられています。

■作業員は下記のような流れで、飛行機の燃料タンクにジェット燃料を入れていきます。

(1)「ワークパターン」と呼ばれる作業の割り当て表を確認します。ワークパターンには、担当する便や使用する給油車の情報などが記載されています。

(2)その便の「フライトインフォメーション」をチェックし、飛行機の到着時間、行き先、出発時間、止まる場所、必要な燃料量などを記載します。飛行機は予定通りに到着することもあれば、遅れることもあるため、大きく時間がずれると、給油担当者を入れ替える場合もあります。

(3)こうした情報を事前にしっかり把握し、給油車に乗り込みます。羽田空港は非常に広く、飛行機が着陸してから駐機場に入るまで20分以上時間がかかる場合もあるため、作業員はそのような移動時間も想定した上で準備を進めます。

(4)飛行機が駐機場に到着したら、給油作業を開始します。

(5)燃料を入れ終えたら、機長や整備士がコックピットの燃料計を確認し、燃料が正しく入っていれば「給油レシート」にサインをいただき、作業完了となります。

 堀田さんに飛行機への給油作業と給油車両の説明をしてくれたのは、ENEOSスカイサービスの森賢一さんです。

特に神経を使う業務は、給油を始める前に、入れる燃料の量をしっかり確認することです。給油作業が始まってからも、給油車や飛行機から燃料が漏れていないかを常にチェックします。さらに、燃料が今どれくらいの量が入っているかを示す流量計や、圧力計といったメーターも確認し続けなければなりません。天候などの影響で、給油する量が急に変更になることもありますので、その場合も臨機応変に対応します。また、飛行機は重量が大切であり、絶対に止まることが出来ない乗り物なので、燃料切れを起こさないよう、正確に給油することがとても重要です。

飛行機に燃料を給油するための「給油車」は大きく分けて2種類あります。

1)フューエラー

 町で見かけるタンクローリーのような車両で、タンクに燃料を積んで飛行機に給油します。ただし、燃料を積める量には限りがあります。また、給油だけでなく飛行機から燃料を抜き取ることも可能で、これはフューエラーにしかできない重要な役割です。

2)サービサー

 空港の地下に張り巡らされた配管から燃料を吸い上げて飛行機に給油する車両です。特徴は、一度に大量の燃料を入れられることです。最大で1分間に4,000リットル、1秒あたりにすると60リットルのスピードです。これは車にガソリンを入れる場合に例えると、一瞬で満タンになる速さです。サービサー1台の価格はおよそ5,000万円、フューエラーは18,000万円ほど(当時の価格)で、どちらも非常に高価で特殊な機能を持つ車両です。

 1日にどれくらいの数の飛行機に給油しているかというと、羽田空港だけで1日およそ170便、全国8つの空港を合わせると1日約600便に給油しています。例えば、大型機が羽田からアメリカの東海岸やヨーロッパへ飛行する場合、1便あたりの給油量は1回につき100キロリットル以上が必要です。給油の所要時間はおよそ1時間で、ドラム缶約500本分に相当します。一方、国内線では510キロリットルほどで、ドラム缶25本から50本分程度です。ただし、同じ行き先でも、天候や乗客の数、飛行ルートによって給油量は変動します。

 ENEOSスカイサービスでは、環境に配慮した航空燃料「SAF」(Sustainable Aviation Fuelの略)の給油も実施しています。SAFとは、主に廃食油やバイオマス等を原料に製造され、製造過程で温室効果ガスの排出を大幅に削減できる持続可能な航空燃料です。既存のジェット燃料と混合して製造されたSAFであれば、通常のジェット燃料と同じタンクで扱うことが可能です。そのため、特別な対応は必要なく、環境に配慮した燃料にも対応できる体制がすでに整っています。また、空港内の連絡用車両5台をEVに切り替えるなど、空港全体でエコエアポートの一員としてCO₂の削減に取り組んでいます。今後は、給油車についても環境に優しい取り組みを進めていきたいと考えています。

 ※エコエアポート:空港および空港周辺において、環境の保全および良好な環境の創造を進める対策を実施している空港。

 ジェット燃料の供給事業は、飛行機が空を飛ぶために不可欠な役割を担っています。これまでは人の知識や経験に頼っていた作業も、AIなどの技術革新によって自動化や効率化が進むと考えられます。しかし、どれほど技術が進歩しても、人による最終確認や操作は欠かせません。そのことを念頭に置きながら、これからも高品質な給油サービスを通じて、航空機の運航に関わるすべての人々に安心を届けていきたいと思います。

 収録後、堀田さんは「普段当たり前に利用している飛行機が、たくさんの方に支えられて、安心・安全に配慮しながら飛んでいることがわかりました!たくさんの方にENEOSスカイサービスの努力が伝わって欲しいと思います。」とお話されていました。

 この収録の模様は20251115日(土)・22日(土)の2週にわたって14時よりJ-WAVEにて放送しました。

※ラジオ番組情報

ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-

 公式HPhttps://www.j-wave.co.jp/original/ourearth/

※公開収録の様子はYouTubeでも配信中

 堀田茜が取材!航空機給油の裏側とは