堀田茜さん、公開収録でごみ問題と注目の技術「CCS/CCUS」を学ぶ

 当社協賛ラジオ番組「ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-」(毎週土曜14:00-14:30にJ-WAVEにて放送)でナビゲーターを務める堀田茜さんが8月某日、東京・Inspired.Lab(インスパイアードラボ)にて公開収録に参加しました。お笑いコンビ・マシンガンズで活躍する傍ら、ごみ清掃員としても勤務する滝沢秀一さん、そしてENEOS Xplora(エネオス・エクスプローラ)株式会社 総務部広報・渉外グループの保科達郎さんがゲストとして登場しました。この記事ではその様子を一部リポートいたします。

この記事の目次

ごみ「最終処分場」の全国平均寿命は24.8

 まず登場したのは滝沢さん。芸人として活動される一方で、2012年頃よりごみ清掃員として活動。以降、ごみ研究家、環境省サスティビリティ広報大使など、多岐にわたる活躍をしており、ごみに関する書籍も発売するその道のプロフェッショナルです。滝沢さんが登場すると、堀田さんは「滝沢さんの『ゴミ清掃員の日常』を読ませていただいたことがあって、感銘を受けました。ずっとお会いしたいと思っていました。今回それが叶ってうれしいです!」と共演できた喜びを伝えました。

 公開収録の中で、滝沢さんは日本のごみ問題の現状を解説してくださいました。再利用・再資源化できない廃棄物を処理する施設は「最終処分場」と呼ばれていますが、環境省の発表によるとその最終処分場は全国平均24.8年ほどで寿命を迎えるとされています。膨大な量のごみが日々各所で排出されているため、最終処分場のひっ迫が問題となっています。

 滝沢さんは「僕もごみ清掃員として働く前までは知りませんでしたが、こういった事実は意外と世間に知られていないと感じました。だったら自らで発信していって、みんなにごみに対する考え方を変えてもらおうと思ったのが、今日の僕の活動につながっています」と話しました。

 またごみを出す際に、きちんと分別することが大切です。分別による効果として、1つ目は「資源の確保」、2つ目は「焼却炉の寿命や埋立地の延命」、そして3つ目はSDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に基づく「環境保護」にもつながります。

 イベントの中では、観覧者も参加できるごみの分別に関するクイズコーナーを実施しました。滝沢さんが「ゲーム機は可燃ごみか、不燃ごみか、それとも資源ごみでしょうか?」と出題すると、堀田さんは「資源だと思います。ゲーム機を構成する細かなパーツはリサイクルできるイメージがあります」と回答。これは大正解!

 このようにゲームなどを楽しみながら、ごみに対する意識を高めることが大切です。ちなみに、滝沢さんの解説によると、「ゲーム機の捨て方で間違いがちなのは不燃ごみです。ゲーム機の中にはレアメタル(希少金属)が入っています。この希少金属は日本では獲ることができないものが使われていたりします。それを資源ごみとして出すことで再利用できる」とのことです。

 ごみの専門家として登場し様々な知識や経験を伝えつつも、“さすが芸人さん”といった話術で公開収録を盛り上げた滝沢さん。堀田さんも「まだまだお聞きしたいお話があるので、またぜひ番組にいらっしゃってください!」と再共演を熱望されていました。

COを地中に埋める?CCS/CCUSという注目の取り組みについて

 続けて、ENEOS Xplora株式会社 総務部 広報・渉外グループの保科達郎さんが登場しました。ENEOSグループは、カーボンニュートラルへ向けて、これまで培ってきた石油開発技術を活用し、他社に先駆けてCCS/CCUSの社会実装への歩みを進めています。

 まずCCSについてですが、「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、簡単に言うと、CO₂を地中の安全な場所に閉じ込める技術のことを指します。

 保科さんが堀田さんにおもむろに「石」を渡しました。実はこの石は、CO₂でできたもので「カルサイト」、日本語では「方解石」と呼ばれています。CO₂は空気中に見えない形で存在していますが、地下深くにある状態で、特定の温度や圧力の条件が加わると、化学反応が起きてやがてこのように宝石のような鉱物に変化することがわかっています。

 現在、CO₂を減らす様々な技術がありますが、最も多くの量を一度に処理できるのが、このCCSとされており、国も取り組みを進めています。石はこの技術にも関連していて、石にしてしまえばCO₂をより安定した状態で地中に閉じ込めることができます。自然界ではCO₂がこういった石になるまでに、2万年という膨大な月日を要すると言われていますが、ENEOS Xploraでは、数年で石にする研究を進めています。「2万年を数年とは驚きです……! この先の発展を楽しみにしています」と堀田さんも目を丸くして驚いていました。

 一方、CCUSは「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、回収したCO₂を有効活用する技術です。ENEOS Xploraは、この技術をすでにアメリカで事業化。大量のCO₂削減に成功しています。ここで取り組んでいるのは、CO₂を枯渇した油田に注入し、CO₂を地下に貯めつつ原油の採取量を増やすというものです。枯渇した油田というと、石油を取り尽くして、空っぽのイメージを持たれるかと思いますが、実際は地下にまだ多くの石油が残っているのです。

 石油は井戸を掘ると、地下の圧力で自然に押し出されます。膨らんだ風船の口から空気が抜けるようなイメージです。石油を取っていくとこの地下の圧力が下がり、やがて石油が自然には出なくなった状態を、業界では「枯渇した」と言います。

 そこでCO₂を注入し、再度圧力をかけることで、残った石油を押し出し、回収量を増やすことが可能となります。同時に温室効果ガスであるCO₂を大気中から地下に貯めることができ、カーボンニュートラルへの貢献ともなるわけです。

 ENEOS Xploraが取り組むCCUSプロジェクトにより、油田の生産量は事業開始前の10倍に増加。また、20252月には地下へ圧入したCO₂の量が500万トンを超えました。これは約140万世帯の年間のCO₂排出量に相当します。名古屋市が約120万世帯、大阪市が約150万世帯ですので、その規模の都市から一年間に出るCO₂を回収して地下に埋めたことになります。この量のCO₂の地下貯留に成功した企業は世界でもほとんどありません。

 ENEOSグループは、これまでの事業活動で蓄積した技術や経験を活かして、今後、CCS/CCUSをさらに広げていく方針です。まず国内では、九州でCCSを行う準備を進めています。ENEOSの製油所や発電所からCO₂を回収して、海底下に圧入する計画で、2030年代前半の事業開始を目指しています。このほか、海外でも新たな天然ガス田を開発する際にCCS/CCUS技術を活用し、天然ガスとともに産出されてしまうCO₂を回収して地下に圧入して処理するという、環境にやさしい石油・天然ガス開発事業を進めていく予定です。

 収録の終盤に、堀田さんは「自分たちが使っているエネルギーが、そもそもどんな経緯で生まれたのかを、改めて知ることができました。また、資源開発事業に関わる人々の情熱の上に、私たちの日常が成り立っていることがわかりました。環境に優しい技術がどんどん生まれていて、未来は明るいと思えました」とお話しされていました。

 ENEOS Xploraは、カーボンニュートラルが注目される以前から、CO₂の削減技術の開発に取り組んできました。ご紹介したように、すでに500万トンを超えるCO₂を回収するなど、世界でも先進的に排出されたCO₂を回収している企業でもあります。今後も、カーボンニュートラルの実現に向けたENEOSグループの様々な取り組みにご期待ください。

 この公開収録の模様は830日(土)・96日(土)の2週間にわたって14時よりJ-WAVEにて放送しました。

※ラジオ番組情報

 ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-

 公式HPhttps://www.j-wave.co.jp/original/ourearth/

※公開収録の様子はYouTubeでも配信中

 https://youtu.be/zeEe5GyIEL8?si=O1qJDDpoRlokNk33