2024 ELGI Academic Awardを受賞

ELGI(European Lubricating Grease Institute、欧州グリース協会)が主催する34回目の年次大会(2024年4月20~23日、スペイン・マドリード)において、潤滑油研究開発部グリースグループ酒井さんが “Neutron imaging technique for understanding urea type grease fluidity inside bearings” と題し、中性子イメージングという手法を用いてグリースの流動性に関する研究の口頭発表を行ったところ、2024 ELGI Academic Awardに選出されました。同賞は、欧州で開催されるグリース関連分野において最も著名な国際学会の一つである本学会で行われた約20件の発表の中から、研究内容、プレゼンテーションの質、オリジナリティ、技術的革新などの複数の観点から審査され、優れた発表に授与されるものです。
本研究は、最先端の高度研究施設「J-PARC」(大強度陽子加速器施設:Japan Proton Accelerator Research Complex)の物質・生命科学実験施設においてエネルギー分析型中性子イメージング装置「RADEN」を用いた実験により、回転試験前後の金属製軸受内グリースの流動状態を非破壊で可視化することで、軸受内グリースの流動状態を解析したものです。観察結果に対し、中央技術研究所ソリューションセンター解析グループの協力のもと、詳細な画像解析を行うことにより、各種のグリースの軸受性能とその流動性の相関を明らかにしました。
地球規模での低炭素化が進む背景の中、グリース潤滑に期待される省エネ・長寿命性といったニーズは高まっており、今回の知見や技術を今後のグリース開発に活かしてまいります。

