
CES 2025
ENEOSは、2025年1月7日(火)~10日(金)に米国ネバダ州 ラスベガスで開催された技術見本市、CES®2025に出展いたしました。
「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向けて挑戦するという長期ビジョンの達成に向け、ENEOSグループは様々な取り組みを推進しています。 ENEOSグループは、これまでも、今も、エネルギー・資源・素材における創造と革新を通じて、社会の発展に貢献し続けてきました。そしてこれからも、活力ある未来づくりに貢献していきます。
その強い決意を端的に表した「今日のあたり前を支え、明日のあたり前をリードする」というスローガンをもとに、CES®2025では、ENEOSの独自技術の一部をご紹介いたしました。
【展示会概要】
開催期間: 2025年1月7日(火)~1月10日(金)*現地時間
開催会場: Las Vegas Convention Center(LVCC)(米国 ネバダ州ラスベガス)
当社ブース: North Hall ブース#9827
この記事の目次
出展コンセプト
私たちは持続可能な社会の実現に貢献するために、
エネルギー・資源・素材において、常に変革を追い求めてきました。
そして今、新たなエネルギーや素材の安定供給とカーボンニュートラル社会の実現に挑むため、
さまざまなパートナーや技術とのコラボレーションを推進しています。
Energizing Tomorrow
「Clean Energy Circle」
CES2025出展に際し、新しいグラフィック・エレメント「Clean Energy Circle」を開発しました。円環状のエレメントは、無数に描かれた線によって「永遠に生成されて回転し続ける、空気のようにクリーンなエネルギーの集合体」をイメージしています。
出展目的
ENEOSは、水素領域ではDirect MCH®などのグローバルでユニークかつ有用な技術を有し、CCS/CCUS事業なども海外展開しています。これらのカーボンニュートラル領域で次なるビジネスを構築するため、パートナーの輪を広げたいと考えています。そのため、ENEOSのグローバルでのブランド認知と理解の向上を目的に、CES2025に出展しました。
さらに、AIの進展に伴う需要拡大が見込まれるサーバー冷却オイル、EVやHYBRIDの駆動システム用潤滑油、植物由来の潤滑油などの海外展開をすすめており、グローバルでの顧客開拓にもつなげていきたいです。
出展内容
出展3年目(ENEOSホールディングスとしては初)となるCES®2025では、水素社会に向けた大きな一歩として、世界で初めて検証に成功した「Direct MCH®技術」を展示いたしました。その他、「合成燃料」や「潤滑油」、「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):二酸化炭素の回収、活用、貯留)」の研究開発事例などカーボンニュートラル社会の実現を追求する各種の技術展示を通して、日本のエネルギー事業者として持続可能な社会の構築における重要なプレイヤーであることを世界の皆様へ紹介いたしました。
水素サプライチェーン
MCH
海外でMCHを製造し、海上輸送、国内のENEOS製油所で受け入れ、製油所近隣の需要家に水素を供給する計画。既存インフラをそのまま水素サプライチェーンに活用してコストを削減し、早期の水素の社会実装に貢献します。
Direct MCH®
ENEOSは、水素キャリアの研究開発を推進しています。ENEOSの独自技術「Direct MCH®」では、MCH製造を電解槽のみのシンプルなプロセスで実現。設備投資削減とエネルギー効率向上を実現した世界初の試みとして注目されており、安価なCO2フリー水素供給に向けてリーダーシップを確立しています。
合成燃料
合成燃料はクリーンな液体燃料です。原料はたった2つで、産業排ガスや大気から回収したCO2、もう一つは再生可能エネルギー由来の水素です。さらに、従来燃料との代替が可能で、モビリティ本体だけでなく既存インフラや輸送手段をそのまま活用できる次世代燃料として、初期投資を抑えながら世界各地で導入できるポテンシャルを持っています。
CCS/CCUS
地球温暖化対策としてCO2削減が掲げられる中*、ENEOSグループで石油・天然ガスの開発・生産を担ってきたENEOS Xploraは、地下技術を強みに、CO2を分離・回収して地下に圧入・貯留するCCSと、回収したCO2を地下に圧入するだけでなく再利用するCCUS技術を世界に先駆けて推進しており、米国テキサス州のPetra Nova CCUSプロジェクトで商業化しています。
*国際エネルギー機関(IEA)によると、CCUSは2070年までのCO2削減量の15%を担うとされています。
潤滑油
ENEOS GX シリーズ
ENEOSは、カーボンニュートラル社会の実現を目指し、ENEOS GX(Green Transformation)シリーズを展開しています。植物由来のバイオマス基油を100%使用し、一般的な製品と比較して商品ライフサイクルにおける原料調達から製品出荷までのCO₂排出量を大幅に削減しました。また、高い省エネ性能と長寿命性能も維持したサステナブルな未来を支える潤滑油です。
EV/HYBRID シリーズ
ENEOSは、自動車用潤滑油の開発で培った豊富な経験を活かし、電気自動車(EV)およびハイブリッド車(HEV)の駆動システム向けに特別に設計した革新的な潤滑油であるEV/HYBRID シリーズを開発。
ENEOS Ⅸ シリーズ
生成AIなどのデジタル技術の急速な発展に伴い、データセンターの電力消費が増大しています。その大きな内訳は、サーバーの能力向上による電力消費の増加と、能力向上により増加する発熱を冷却するための電力消費の増加です。特に後者に関しては、冷却技術の最適化により電力消費を削減することが可能です。
ENEOS IX シリーズはサーバー冷却システムの中でも効率が高い液浸冷却用の冷却液です。
放熱グリース
ENEOSは、TIM(Thermal Interface Materials)の一種である放熱グリースの開発に取り組んでいます。 ENEOS Thermal Greaseは、これまで培ってきたグリース製造技術と添加剤配合技術を生かし、高熱伝導性、接点不良防止、優れた作業性を達成。高度デジタル化と次世代エレクトロニクスの省エネルギーに貢献します。
基礎化学品
ENEOSは、環境負荷の低減と資源の循環利用のため、グリーンケミカル事業を展開しています。
グリーンケミカルとは、サステナブルな基礎化学品原料のことで、バイオマス品(食用廃油や非可食植物油等の残渣などを原料に活用した化学製品)とリサイクル品(油化した廃プラスチックを活用した化学製品)があります。
ケミカルリサイクル
ENEOSは株式会社ブリヂストンと共同で「使用済タイヤの精密熱分解によるケミカルリサイクル」技術の開発を行っており、さらなるCO2排出量の削減や資源循環性の向上に取り組んでいます。
バイオ燃料
ENEOSは自動車用燃料や化学品、持続可能な航空燃料(SAF)の原料としての利用が期待されるセルロース系バイオエタノールの製造技術の実用化に向けた取組みを通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
Matlantis™
Matlantis™は、ENEOSとPreferred Networksが共同開発した最先端の汎用原子レベルシミュレータです。AIによる深層学習技術を組み込んだ独自のNeural Network Potential (NNP) を用い、物理シミュレーションに必要な計算コストを大幅に削減します。また、化学反応経路の自動探索プログラムであるGlobal Reaction Route Mapping (GRRM)と組み合わさることで、未知の化学の開拓に新たなブレークスルーを生み出します。