セグメント

ENEOSグループは、「石油製品ほか」「機能材」「電気」「再生可能エネルギー」「石油・天然ガス開発」「金属」の6つの事業セグメントを有しており、決算資料では各事業セグメント毎の営業損益を開示しています。
各事業セグメントがカバーする事業領域と損益分析のポイントを解説します。

ENEOSグループの事業セグメント

石油製品ほか

◆石油製品、基礎化学品等の製造・販売
◆インキュベーション(SAF、水素、合成燃料等)ほか

国内1位のシェアをもつガソリン・灯油・軽油などの石油製品の精製・販売事業が主な収益基盤です。原油価格※や国内外の需給環境を反映した各種製品マージンなどにより損益が変動しますが、製油所稼働の最適化、コスト削減や業務効率化などにより収益力の強化を図っています。
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、SAF・水素・合成燃料など将来の収益の柱となることが期待される事業にも、積極的に取り組んでいます。

※ 原油価格変動に伴い発生する在庫影響損益についてはコチラをご覧ください

機能材

◆エラストマー、二次電池材料、ENB、PIB等
高機能素材の製造・販売

高機能タイヤ用エラストマーSSBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)や電気自動車(EV)への搭載を主とする二次電池の材料のほか幅広い生活用品に当社製品が使用されています。グローバルな事業展開を図っているため、為替や諸地域の景気動向の影響を受けますが、SSBRおよび二次電池材料である電池バインダー等の戦略製品の販売拡大、および基盤事業(高機能素材/汎用品)の競争力強化等を通じて収益の最大化を図っています。

電気

◆電力の発電・調達・販売
◆都市ガス事業、VPP事業

最新鋭・高効率の天然ガス発電所である五井火力発電所や川崎天然ガス発電および製油所の自家発電設備など全国の自社電源を活用し、市場からの電力調達のみに過度に依存しない販売体制の構築を図るとともに、顧客ニーズに即した各種メニューの提供により、販売拡大と利益成長を目指します。
また、VPP事業においては、当社の保有する国内最大級の蓄電池等の充放電を通じて、電力の安定供給に貢献しています。

再生可能エネルギー

◆太陽光、陸上/洋上風力、バイオマス等、
再生可能エネルギーの開発・発電・販売

太陽光、陸上/洋上風力、バイオマスを中心に開発から長期運営まで一貫した事業展開をしています。2024年現在は、発電容量を積み上げる開発フェーズにあるため運転開始に先行するコストや減価償却費の負担が大きくあらわれていますが、再エネ拡大の世界的な潮流のもと、将来の収益基盤構築に向け着実に歩みを進めています。
なお決算資料では、キャッシュフローベースの参考値としてEBITDAの値も掲出しています。

◆石油・天然ガスの開発・生産・販売
◆CCS/CCUSを中心とする環境対応型事業の推進

世界各地で石油・天然ガスの開発・生産を展開しています。資源価格や為替変動の影響を受けるため、決算資料では、これらの変動による損益への影響額を「感応度」として掲出しています。
CCS/CCUS※を中心とする環境対応型事業では、石油・天然ガス開発事業で培ってきた知見・技術を強みにバリューチェーンを強化・構築していきます。

  • CCS:CO2を回収して地下に貯留する技術 / CCUS:CCSに加え、貯留するCO2を有効利用する技術

金属

◆半導体材料/情報通信材料の製造・販売
◆銅およびレアメタルの資源開発・製錬・リサイクル

AI普及によるデータセンターの増加や通信機器、モビリティ技術の高度化などが牽引し高い成長が期待される半導体材料および情報通信材料で、世界シェアNo.1の製品を多数有しています。
少量多品種かつ高利益率の製品供給体制を構築することにより、市場成長以上の利益成長の実現を目指します。

  • 2023年5月にJX金属株式会社の東京証券取引所への株式上場準備を開始しました

その他事業

◆子会社NIPPO(アスファルト舗装)など

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