「ポコン」という軟球独特の打球音が響くと、ベンチやスタンドからは、選手を後押しする声が上がります。グラウンドに立つ選手たちは、一つひとつのプレーに集中し、仲間と連携しながら試合を進めていきます。身体障害者野球の試合には、派手さとは少し違う、着実でひたむきな空気があります。
ENEOSホールディングス※は、2007年度から特定非営利活動法人日本身体障害者野球連盟に協賛し、「全国身体障害者野球大会」を応援しています。この大会は、障害者の健康維持・増進と社会参加促進を目的として、1993年から続く国内最大規模の身体障害者野球大会です。
今回は、第34回全国身体障害者野球大会を観戦し、球場で感じた身体障害者野球の魅力と、ENEOSがこの大会を応援し続けてきた理由について紹介します。
※2025年度まで100%子会社のENEOS株式会社が協賛していましたが、2026年度からENEOSホールディングスに移管しました。
まず印象に残るのは、プレーに向き合う姿勢
「身体障害者野球」と聞いて、実際の試合の様子を具体的に思い浮かべられる人は、まだ多くないかもしれません。しかし、試合が始まると、その印象は変わっていきます。
投手が投じた一球に、打者が集中して打席に立つ。打球が飛べば、守備が素早く動き、プレーをつないでいく。一つひとつの動きに無駄が少なく、安定したプレーでした。また、勝利を目指す思いが、グラウンド上のプレーの随所に表れているように感じられました。特に、試合の中で何度か見られた打者や走者が全力で走るランニングホームランは、印象に残りました。
工夫されたルールと、それを支える積み重ね
身体障害者野球には、選手それぞれの身体に合わせたルールやプレーが取り入れられています。例えば、走塁が難しい打者には、打球が飛んだ後に代わって走者が走る「打者代走」が認められており、また隻腕の選手は、捕球後にグローブを外し、片手で持ち替えて送球するなど、それぞれの工夫によってプレーが成り立っています。
こうしたプレーは、事前に知識として理解するよりも、実際に見ることで、日々の練習を通じて積み重ねてきた努力の跡がうかがえます。
一つひとつのプレーが丁寧に行われているからこそ、試合全体に落ち着いた緊張感が生まれ、一つの送球、一つの走塁、一つのアウトに重みがあり、その積み重ねが、身体障害者野球ならではの見応えにつながっていると思いました。
応援しているはずなのに、気づけば自分自身が力をもらっていると感じる瞬間がある
全国身体障害者野球大会は、身体に障害のある選手たちが全国から集まり、日本一を目指して戦う大会です。その舞台に立つ選手たちから伝わってくるのは、競技への真剣さだけではありません。
うまくいかなかった場面では声を掛け合い、得点が入ればベンチ全体で喜びを分かち合う。一つひとつの場面でのやり取りから、チームとして試合に向き合っている様子が伝わってきます。
応援している側の気持ちも前向きになり、「自分も頑張ろう」と感じさせる、そうした時間だったと感じました。
ENEOSが応援したいのは、“挑戦がつくる景色”
ENEOSは、社会人野球チームの活動をはじめ、長年にわたってスポーツ振興に取り組んできました。その中で大切にしてきたのは、スポーツが人と人をつなぎ、それぞれの挑戦を後押ししていくことです。
身体障害者野球のグラウンドには、そのENEOSが大切にしている価値が表れています。できない理由ではなく、どうすればできるかを考え、一人で戦うのではなく、仲間と支え合って前に進む。そして、勝利に向かって一つひとつのプレーを積み重ねています。
ENEOSが2007年から協賛を続けているのは、大会を支えるとともに、困難に挑み、努力・成長を続ける人々の活動や姿勢が社会に広がっていく意義を大切にしているためです。
まずは実際に見て触れていただきたい
身体障害者野球は、実際に試合を観ることで印象が変わる競技の一つです。ルールの細かい理解がなくても、試合の流れや選手の動きを通じて、その魅力は十分に伝わってきます。
ENEOSはこれからも、「市民社会の発展への貢献」という行動基準のもと、スポーツ振興や次世代の育成を推進していきます。全国身体障害者野球大会が、参加する選手、そして観る人それぞれにとって印象に残る時間となることを期待しています。


