環境

生物多様性

基本的な考え方

ENEOSグループは、操業・生産拠点の周辺環境に影響を与えかねない事業特性を持つことから、生物多様性の保全を重要なテーマと考えており、これをENEOSグループ行動基準に定めています。
操業・生産拠点の新設等にあたっては、あらかじめ環境影響調査を行い、植生や鳥類・動物・海洋生物等の生態系を確認するなど、事業活動のあらゆる分野で生物多様性に配慮した取り組みを推進しています。
体制については、環境マネジメントをご参照ください。
また、目標については、中期環境経営計画をご参照ください。2021年度は、当社グループ製造拠点におけるリスクの把握と対応方針を検討していきます。

国内での主な取り組み

生産拠点の多いENEOSでは、「エネルギーグループ*生物多様性ガイドライン」を定めるとともに、地域の生物多様性保全活動への参加や周辺の広大な緑地の生態系ネットワークの1つとして、豊かな生物多様性を保全することを目指した活動を行い、生物多様性保全活動に取り組んでいます。
その他の事業所においても、周辺環境に合わせた環境保全活動を実施しています。
また、従業員に対する定期的な環境教育や環境保全に関する社会貢献活動などを行っています。

  • *ENEOSのグループ会社。

エネルギーグループ生物多様性ガイドライン

【基本姿勢】

当社グループの事業活動が地球の生物多様性と大きく関わっていることを認識し、事業活動のあらゆる分野で生物多様性に配慮した取り組みを推進する。

【活動方針】

  1. 1.事業活動による生物多様性への影響の把握・分析、および事業活動の改善に努める。
  2. 2.自然保護、環境教育等、生物多様性保全に寄与する社会貢献活動を推進する。
  3. 3.生物多様性に関する当社グループの取り組みを広く社会に発信し、情報の共有に努める。

経団連生物多様性宣言への賛同

ENEOSホールディングスは、「自然共生社会の構築を通じた持続可能な社会の実現」を目指す、経団連生物多様性宣言に賛同しています。

生物多様性に関するイニシアティブへの参画

生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業の集まりである「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」に、2013年から参加しています。

Call to Actionへの賛同

当社は、2020年12月に、Business for Nature* が提言する「Call to Action」に賛同しました。
Call to Actionは、健全な社会、回復力のある経済、繁栄するビジネスは自然に依存しているという考えのもと、多くの企業の賛同をもって、各国政府に対して、2030年までの10年間に自然の損失を逆転させるための野心的な政策を取るよう求める提言です。

  • 世界経済フォーラム、持続可能な開発のための世界経済人会議、国際商業会議所等が中心となり、自然保護と回復に向けた行動を企業に求めていくことや、自然保護と回復に向けた企業の意思をもって政策決定者に影響を与えることを目的として設立された国際的な連合体。

ENEOS知多事業所における取り組み

地域の子どもたちを招いた「知多市自然調査隊(知多市主催)」の様子
地域の子どもたちを招いた「知多市自然調査隊(知多市主催)」の様子

ENEOS知多事業所は「知多半島臨海部の企業緑地における生態系ネットワーク形成担い手育成事業」「命をつなぐPROJECT」に参画しています。これらは愛知県・知多市・NPO団体・学生・臨海部企業等が連携し、動物や植物が生息しやすい環境となるよう企業緑地(グリーンベルト等)を活用する取り組みです。
同事業所では、所内のビオトープで近隣学生と生態系調査(モニタリング)を実施するなど、生物多様性の主流化に取り組んでいます。このような活動を続けるなかで、2015年には「いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)」を取得し、2018年に更新しました。
2020年度は、ビオトープのほか、グリーンベルトを中心とした緑地帯に生息するいきものの生態系調査(モニタリング)を4回、知多市主催の「知多市自然調査隊」を1回実施しました。

ENEOS根岸製油所における取り組み

ふれあいイベントの様子

ENEOS根岸製油所は、面積220万m2、周囲約12kmに及ぶ敷地を有する国内最大級の製油所です。周辺には三溪園や根岸森林公園等、広大な緑地に生息する多様ないきものの生態系のネットワークがあります。このネットワークの1拠点として所内中央部にある緑地帯(グリーンベルト、約6万m2)を利用して「工場内の里山づくり」をコンセプトに生物多様性保全活動に取り組んでいます。
2013年度から生態系調査を開始し、これまでのモニタリングで170種類のいきものが観察され、多くのいきものがこの緑地を暮らしの場としていることがわかりました。
2018年度からは、山羊による緑地内の除草やふれあいのイベントを開催し、2019年度以降は緑地の維持管理を強化するとともに、山羊除草期間の拡大や新たなイベントの開催等、緑地の活用を充実させるように取り組んでいます。
このような活動を続けるなかで2020年2月に「いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)」を取得しました。

ABINC(エイビンク)認証
  • ABINC認証とは、一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)が開発した、いきもの共生事業所®推進ガイドラインの考え方に沿って計画・管理され、かつ土地利用通信簿で基準点以上を満たし、当審査過程において認証された事業所のこと。

森林保全・整備活動

当社グループは、グループ各社において、生物多様性の保全に寄与する森林保全活動を展開しています。
ENEOSでは、地方自治体や公益社団法人国土緑化推進機構と協働し、全国6カ所で「ENEOSの森」と冠した森林保全活動を実施しています。
JX石油開発では、1998年から中条油業所(新潟県)構内および周辺において「JX中条の森」と冠した森林保全活動を続けています。
JX金属では、休廃止鉱山の跡地を中心に、植林・下刈作業等の森林整備活動を継続的に行い、自然環境の維持増進を図っています。

「ENEOSの森」での活動
「JX中条の森」での植林活動
「日鉱 龍樹の森」(山形県南陽市)での植林活動
「日鉱 龍樹の森」(山形県南陽市)での植林活動

社員食堂でのサステナブル・シーフード メニュー提供

社員食堂でのメニュー提供の様子

当社は、当社およびグループ各社が利用するENEOSビル社員食堂で、2019年から、月に1回、サステナブル・シーフードを利用したメニューの提供を行っています。2020年度からは、一部製油所の社員食堂においてもサステナブル・シーフードメニューの提供を開始しています。
この取り組みにより、身近な存在である食を通してグループ各社従業員の生物多様性保全や環境保全意識の向上を図っています。

  • 持続可能な漁業・養殖場で獲られた水産物のこと。
    持続可能な漁業で獲られた水産物には「MSC認証」、責任ある養殖により生産された水産物には「asc認証」があります。

海外での主な取り組み

カセロネス銅鉱山における植林活動

カセロネス銅鉱山周辺に自生する植物

カセロネス銅鉱山(チリ)では、生物多様性の保護を目的として15種類、48,200本の原生植物の植林を1.43km2のエリアで進めています。植林するエリアは、鉱山敷地内のラマディージャス川周辺、敷地外のマイテンシージョおよびアモラーナスに位置しています。
また、植林のほかにも現地に自生する植物の生育状況のモニタリング、カセロネス銅鉱山周辺に自生する高地特有の植物の繁殖・分布と気候の影響等との関連性の研究も進めています。

バラスト水(海水)対策

日本から産油国へ向かうタンカーは、空船時の運航安定性を維持するため、「重し」としてバラスト水を積んでいます。そのため、日本の海域に生息する微生物やプランクトンがバラスト水とともに遠く産油国の海域に運ばれ、生態系バランスを崩す原因となっていました。
当社グループでは、2004年から外洋でバラスト水を入れ替える方法や新造船にはバラスト水処理装置を搭載する方法を採用し、産油国の湾内海域の生態系バランスに配慮しています。
なお、バラスト水は、国際条約に適合した方法で船舶から排出しています。バラスト水処理装置は、当社グループが所有するタンカー15隻のうちの14隻に搭載済み(2021年6月時点)で、2022年度には全船への搭載を完了する予定です。

  • *バラスト水中の水生生物を一定基準以下にして排水する装置。