基本的な考え方
ENEOSグループは、ワークライフ・マネジメントの推進を通じ、従業員一人ひとりの意欲や創造性を高め、かつ能力を最大限に発揮できる組織を目指しています。
また、従業員一人ひとりが、性別、年齢、国籍、人種、民族、皮膚の色、文化、思想、宗教、信条、政治的見解、性的指向や性自認、性表現、障がいの有無、家庭・個人事情の違い等の多様性(ダイバーシティ)を受容(インクルージョン)し、誰もが公平(エクイティ)に活躍できる機会を得られる環境を提供することが、組織全体としての新たな価値創造を促し、ひいてはグループの成長につながると考えています。
このような考え方のもと、健全な職場環境の確立に関する基本原則をグループ行動基準に定め、さまざまな取り組みを推進しています。
ENEOSグループ行動基準(抜粋)
- 12.健全な職場環境の確立
- (1)私たちは、適切な健康管理・ワークライフバランス等の推進により、職場でいきいきと働くとともに、自らおよびその家族ならびに職場の仲間が、健康で文化的な生活をおくれるよう努めます。
- (2)私たちは、多様な個人が最大限に力を発揮できるよう、ダイバーシティを推進します。
- (3)私たちは、相互の対話および円滑な意思疎通を通じて、働きやすい職場環境を確保・維持するよう努めます。
- (4)私たちは、人材の育成に努め、自らおよびお互いの能力伸長を図ります。
- (5)私たちは、事業活動に従事する間に宗教活動、政治的活動およびこれに類する活動を行う場合は、事前に決裁権者による確認・承認を得ることとします。
体制
体制については、「ESG経営推進体制」をご参照ください。
ESG経営推進体制のもとでさまざまな課題に、より機動的に対応しています。具体的には、女性従業員、障がいのある従業員等の活躍推進や働き方改革の推進、両立支援制度の拡充等、各種施策を実施すると同時に、役員を含む社内研修等でダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの浸透を図っています。
重点課題と目標・実績
2023年度の目標と結果・進捗
評価:達成・順調未達
ESG重点課題 | 取り組み項目 | 目標(KPI) | 結果・進捗 | |
---|---|---|---|---|
ダイバーシティ&インクルージョンの推進 | 女性の活躍推進 | 新規大卒女性採用比率25%以上の維持 | 27.3% | |
障がいのある従業員の活躍推進 | 障がい者雇用率2.3%以上の維持 | 2.57% |
主な取り組み
職場環境の再整備
2023年の元社長による不適切な行為を受け、当社は従業員の信頼を取り戻し、安心して働ける職場環境の整備が急務と考え鋭意取り組みます。
従業員が安心し、誇りを持って働ける環境の再整備 ~つなぐプロジェクトの取り組み~
当社およびENEOSは、2024年1月、副社長3名(当時)と当社社外取締役2名が中心となり、「従業員が安心し、誇りを持って働ける環境の再整備」に向けたプロジェクトを発足させました。また、プロジェクト発足に先立ち、当社およびENEOSの社長から、従業員に向けてメッセージを発信し、安心し、誇りを持って働ける環境の再整備を約束しています。
同プロジェクトでは、まず、職場実態を正しく把握するために、従業員(約11,000名)を対象に第三者機関によるヒアリングおよびアンケートを実施しました。調査結果から明らかになった課題を速やかに解消するため、短期・中期・長期での目指すべきゴールを設定し、打ち手(施策)を策定しました。
2024年度から、短期施策の1つとして、相手を尊重する姿勢を持ち、双方向の建設的なコミュニケーションを促進するルール「みんなが安心して働くための3か条」を定め、実践・徹底しています。環境整備の状況については、全従業員を対象とする定期サーベイを実施し、各職場の実践状況を確認します。併せて、役職者の実践度合い等に関して部下からフィードバックを行う仕組みを整え、有効なPDCAのプロセスを確立します。
- ※取り組みの詳細については、統合レポート2024「つなぐプロジェクト~働きやすさから働きがいへ~」(PDF:945KB)をご参照ください。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
当社グループは、多様な人材誰もが能力を最大限発揮し、組織全体として新たな価値を創造し、会社の成長につなげていけるよう、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進しています。
女性従業員の活躍推進や障がいのある従業員の定着支援、そして、性的マイノリティに対する理解促進といった個別のテーマに関する取り組みに加え、多様な働き方の促進、育児・介護・病気と仕事の両立支援制度の拡充等に力を入れています。従業員一人ひとりがDE&Iについて理解し、当事者意識を持ち、推進していくことで個人の行動が変化し、ひいては組織の成果発揮につながると考え、全従業員を対象とした意識啓発の実施や役職者向けのマネジメント研修等も実施しながら、社内全体の活動を推進しています。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進の基本的な考え方
- 従業員一人ひとりがダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの重要性を理解し、相互を尊重し、協力し合い、成長し合う組織風土を醸成することで、意欲や創造性を高め、かつ能力を最大限に発揮できる組織を目指します
- ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進により、組織・人員の多様性を確保し、多様な考え方やアイデアを互いに受け入れ、相互信頼のもと徹底的に論議し高め合う風土を醸成することで、時代とともに変化するお客様や社会からの期待に対し迅速かつ的確に応え、社会に必要とされる新たな価値を創出していきます
- ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を通じてその考え方を国内外に浸透させ、従業員を含めたすべてのステークホルダーがともに活躍できる社会の実現に貢献していきます
女性の活躍推進
当社グループは、意欲ある女性従業員が自身のキャリアをしっかりと考え、成長を目指すことを支援するため、本人や上司、職場のメンバーといった従業員一人ひとりの意識改革や、両立支援等の諸制度の整備・拡充を進めています。
また、グループ各社において「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づく「女性活躍推進行動計画」を策定し、女子学生の採用比率や役職者登用人数等の数値目標を設定し、女性従業員の活躍、促進に向けた取り組みを行っています。
「女性活躍推進行動計画」における目標
- ENEOS
- 1.2023~2025年度の毎年度の学卒採用者の女性比率を事務系50%以上、技術系20%以上にする
- 2.ダイバーシティ推進に対して、管理職を中心とした従業員の行動・意識改革を行う
- 3.指導的地位(グループマネージャーから役員)に就く女性*を2026年4月までに100名にする
- *主要グループ会社の指導的地位に就く女性出向者含む。
- ENEOS Xplora
- 1.採用した労働者に占める女性労働者の割合20%を維持
- 2.ダイバーシティ&インクルージョンについての社内の意識浸透を進める
- 3.キャリアアップに資する研修への女性労働者一人当たりの参加時間を前計画期間対比2割増加
- JX金属
- 1.2026年3月末までに女性管理職の人数を30名以上とする(単体ベース)
- 2.年次有給休暇取得率を80%以上とする
- 3.女性従業員数増加に向けて、継続的な採用活動の強化・実施、採用数増加に向けた職場環境の整備を行う
- 4.多様な人材が個々のニーズに応じて両立支援制度を活用できるよう、継続的な制度の周知、利用促進に向けた施策の検討・実施を行う
- ※「女性活躍推進法」および「次世代育成支援対策推進法」に基づき策定。
女性従業員の管理職への登用
ENEOSでは、女性活躍推進法に基づく行動計画において、指導的地位(グループマネージャーから役員)に就く女性を2026年4月までに100名とすることを目指しています。女性従業員を対象とした社外マネジメント研修への派遣や社内外のロールモデルとの対話を重ねることでキャリア意識を醸成する等、女性役職者の育成に資する取り組みをしています。2024年4月時点で指導的地位に就く者は58名(執行役員2名、部長級5名、副部長級5名、グループマネージャー級46名)です。
ENEOS Xploraの女性基幹職(役員除く)は、2024年4月現在、11名です。
JX金属では、2023年4月から2026年3月までに、女性基幹職(管理職相当)の人数を30名以上とすることを目指しています。2024年4月時点で、同社における女性基幹職は21名です。
女性従業員の雇用状況
(2024年3月末時点)
区分 | 女性の人数 | 総数に占める割合 |
---|---|---|
新規採用者 | 120名 | 16.0% |
全従業員 | 1,646名 | 13.6% |
管理職 | 158名 | 5.6% |
取締役* | 4名 | 40.0% |
全女性従業員の平均勤続年数 | 15.3年(男女間の平均勤続年数の差:1.9年) |
- ※集計対象:女性取締役数はENEOSホールディングス、それ以外はENEOSホールディングスおよび主要な事業会社(ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属)の在職者。
- *女性取締役数のみ2024年6月26日時点。
女性活躍推進のための研修・セミナー
ENEOSでは、女性活躍をさらに推進すべく、次のような研修・セミナーを開催しています。
役職者向け研修
多様な人材がいきいきと働ける環境づくりのため、役員およびチームリーダー・係長以上の全役職者を対象に「ダイバーシティ・マネジメント研修」を実施しています。

女性従業員向け各種研修
女性従業員が自身のキャリアを考え、描くために、女性同士のネットワーク形成を支援しています。管理職を目指す女性従業員に対し、キャリアを考えるうえでの課題や不安を解消し、成長を促す目的で社外メンター制度も導入しています。また、製造現場で運転員として働く女性従業員同士の交流会を2023年度も開催しました。運転部門ならではのやりがいや課題、自身が思い描く将来のキャリア等をテーマに活発なグループ討議が行われました。
「えるぼし」認定の最高位を取得

ENEOSは、2020年10月に、女性活躍推進法に基づく基準適合事業主として、厚生労働大臣より「えるぼし」の最高位認定(3段階目)を受けました。
経験者採用者の管理職への登用
当社グループは第3次中期経営計画(2023~2025年度)に沿って、事業ポートフォリオの転換を可能にする人材ポートフォリオの転換を推進しています。その一環として、社内にないノウハウ・知見等を持つ経験者の採用を拡大しています。また、ENEOSでは、経験者採用者からの管理職への育成・登用を実施しており、経験者採用者の役職者数を増やすことを目指しています。
2023年度末時点で、ENEOSでは、585名の経験者採用従業員が在籍しており、うち113名は管理職です。今後も新たな発想・能力のある人材を獲得すべく、経験者採用を活用していきます。
ENEOS Xploraでは、61名の経験者採用従業員が在籍しており、うち12名は基幹職(管理職相当)です。
JX金属では、954名の経験者採用従業員が在籍しており、うち99名は基幹職(管理職相当)です。
- ※いずれも2017年度以降に経験者採用した従業員数・管理職数。
外国籍従業員の管理職への登用
当社グループは、2040年を見据えたエネルギートランジションを加速する中で、海外事業を強化する計画です。その担い手となる人材の確保・育成策の1つとして、外国籍従業員の採用および管理職への登用に注力しています。
2024年3月末現在、ENEOSでは、58名の外国籍従業員が在籍しており、うち3名は管理職です。ENEOS Xploraでは、6名の外国籍従業員が在籍しており、うち4名は基幹職(管理職相当)です。JX金属では、26名の外国籍従業員が在籍しており、うち5名は基幹職(管理職相当)です。なお、上記のほかに、各社の海外現地法人においては、609名の外国籍管理職が在籍しています。
障がい者の活躍推進

当社グループは、障がい者の活躍推進を図るため、特定の職場に集中的に配置するのではなく、それぞれの個性や適性に応じた職場へ配置しています。また、障害者職業生活相談員を配置するなどし、職場適応への支援も行っています。
2023年度末時点の障がい者雇用率は、法定雇用率の2.3%を上回る2.57%です。今後も障がい者の新規採用および定着支援体制の充実を図っていきます。
また、当社は、障がい者の活躍支援に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に署名・参加しています。
定年退職者の再雇用
当社グループは、定年退職者の再雇用制度を整備し、働き続けたいという意欲を持った従業員に、その貴重な知識・技術・経験を活かす機会を積極的に提供しています。
2023年度の再雇用者数(定年後)は、653名でした。
- ※集計対象:ENEOSホールディングスおよび主要な事業会社(ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属)。
シニア人材の活躍推進
第3次中期経営計画に沿って基盤事業を変革・改善していくうえで、豊富な知識や経験を持つシニア人材は貴重な存在です。今後さらに重要性を増す人材確保策の一環として、シニア人材が一層活躍できる制度を整備しています。
ENEOSは、担う役割の大きさに応じた階級(グレード)・役割給を設定し、再雇用者を適正に処遇できる制度を整えました。また、再雇用後も現役世代の管理職相当の役割を担うことを想定し、管理職扱いの役割グレードも新設しました。
ENEOS Xploraは、一般従業員と同一の制度を適用し、職責と処遇のアンバランスをなくしました。
JX金属は、2022年10月に定年年齢を60歳から65歳に引き上げ、昇給・昇格等において一般従業員と同じ処遇制度を適用しました。
現地雇用の創出
当社グループは、海外事業所における現地雇用に積極的に取り組んでいます。
海外拠点での現地雇用人数(2023年度)
(名)
ENEOS | 1,157 |
---|---|
ENEOS Xplora | 368 |
JX金属 | 2,217 |
合計 | 3,742 |
「イクボス企業同盟」に加盟し、活動
ENEOSは、2017年度からNPO法人ファザーリング・ジャパンが設立した「イクボス企業同盟*」に加盟しています。多様化する職場において求められる新しい上司像を社内で共有し、ふさわしい人材を育成するための各種取り組みを進めています。
2023年度は、多様な部下を率いる役職者に対し、一人ひとりに寄り添ったマネジメントや心理的安全性を高めるリーダーシップの発揮の仕方について知識やスキルを得てもらうために「ダイバーシティ・マネジメント研修」を実施しています。さまざまな属性の部下やメンバーをいかに束ね、組織の力に変えていくか、という観点で学びを得たうえで、職場での実践につなげてもらうことを目的としています。また、同研修の受講者へのフォローとして任意受講の手上げ式研修も実施し、受講者が各々の職場の課題や問題意識を持ち寄り、一人ひとりが考え、意見を共有しています。
主な内容
全役職者対象「ダイバーシティ・マネジメント研修(eラーニング)」
- インクルージョンの重要性と副作用
- インクルージョンを阻害する要因
- インクルージョンを高めるために
「インクルーシブ・リーダーシップ研修」(任意研修)
- マイノリティとマジョリティの力関係を自覚する
- 職場の問題意識の共有とグループディスカッション
- *イクボスとは、職場でともに働く部下・スタッフのワークライフ・バランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のこと。イクボス企業同盟は、自社の管理職の意識改革を行い、新しい時代の理想の上司(=イクボス)を育てていこうとする企業のネットワークです。
ENEOSのイクボス宣言
- 1.すべての人材がライフイベントによる時間的制約がある中でも能力を発揮できるよう、総労働時間の削減を進めます
- 2.柔軟な発想で事業変革を進めていくために、女性活躍を中心としたダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進に取り組みます
- 3.ワークライフ・バランスを重視し、「ボス自ら積極的に人生を楽しむとともに、周囲にもその姿勢を広めること」を応援します
- 4.これらの取組みの推進役となるイクボスを育成します
性的マイノリティへの取り組み

当社グループは、性的マイノリティ当事者について正しく理解し、受容する組織風土の醸成にグループ全体で取り組んでいます。
ENEOSでは、性のあり方を問わず誰もが自分らしく働き、能力を存分に発揮できる職場づくりを進めています。eラーニングやセミナーを通じて、性の多様性や、またSOGIハラスメント*1やアウティングが生じないようコミュニケーションの正しいあり方について理解を促しています。また、性的マイノリティに対し、理解と支援を示すENEOS ALLY(エネオス アライ)を組成し、職場の心理的安全性の確保にもつなげています。
このような取り組みが評価され、ENEOSは2023年11月、一般社団法人work with Pride*2が策定する企業・団体等における性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」で、前年に続き最高評価である「ゴールド賞」を受賞しました。
- *1性的指向や性自認に関連した差別的な言動等。SOGIはSexual Orientation and Gender Identityの略。
- *2企業等の団体において、性的マイノリティに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体。
従業員への啓発
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの重要性と理解促進を目的に、eラーニングを活用した啓発活動を実施し、従業員への浸透を図っています。
女活だよりの発行
ENEOSでは、従業員にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンをより身近なこととして捉えてもらうために、社内に向けて経営からメッセージを発信したり、女性従業員が少ない製造現場に向けた社内報「女活だより」を発行しています。2023年度は、女性活躍推進、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進、女性運転員交流会の紹介等をテーマに発行しました。
エンゲージメントサーベイの実施
ENEOSでは、会社と従業員との間における課題や問題点を可視化し、それらを改善することで従業員エンゲージメントの向上を図ることを目的として、2022年度にエンゲージメントサーベイを実施しました。2023年度は収益力向上の観点から、企業総合調査を実施しました。仕事や能力発揮に対する意欲やキャリアの捉え方を確認し、その後の施策検討に活用しています。2024年度以降は、人的資本経営のもと、確認する指標を改めて見直したうえで実施する予定です。
ENEOS Xploraでは、2024年度にエンゲージメントサーベイを実施する予定です。
JX金属では2022年度に従業員意識調査を実施し、以後隔年で実施する計画です。
女性社外取締役の社内講演会

当社女性社外取締役3名による社内講演会を2023年11月から2024年1月にかけて開催しました。ビジネス界で活躍する講師3名が、今後のグループ経営や事業成長のあり方、自律的なキャリア形成におけるマインドの持ち方、リーダーシップの発揮の仕方等をテーマに従業員に語りかけ、エールを送りました。
オンラインと会場参加を合わせ、計3回で延べ1,500名超の従業員が聴講し、企業のビジネス転換やリーダーの心構え、組織経営におけるインクルージョンの重要性について多くの示唆を得ました。
ワークライフ・マネジメントの推進
当社グループは、以下の基本的な考え方のもと、従業員一人ひとりの意欲や創造性を高め、かつ能力を最大限に発揮できるよう、総労働時間削減や有給休暇取得促進を図っています。
ワークライフ・マネジメントの推進指針
- 従業員一人ひとりがメリハリをつけた働き方で充実した生活時間を確保できるよう、生産性向上および業務改善を通じた総労働時間削減や有給休暇の取得を促進する。
- 育児・介護等を理由に働き方に制約のある従業員も「持続的なキャリア形成」と「持続的なパフォーマンス発揮」ができるよう、効果的な人事制度とプログラムを用意し、活用を推進する。
- ワークライフ・マネジメントの重要性の理解促進・共有化のため従業員に意識啓発を行う。
適正な総労働時間管理の徹底
当社グループは、労働基準法に基づいた労働時間、休憩、休日および休暇等に関する規則を人事関係規程に定めています。
管理職も含めた総労働時間削減(時間外労働削減および年休取得促進)に向けて、適切に労働時間を把握・管理するための仕組みを構築しています。
- 1.長時間労働の防止
日曜日や22時~翌6時の就業を原則禁じる社内制度「Action5+」を実施。システムによる長時間労働者本人およびその上司への注意喚起の自動配信。加えて、RPA(Robotic Process Automation)にて自動集計した労働時間データを全事業所人事担当者へデイリーに自動配信 - 2.残業時間の見える化
社内イントラネット上へ全職場の労働時間状況を毎月公開 - 3.意識・行動の変革を促す研修
副部長級役職者を対象に、所管組織において、適正な労働時間管理を徹底する旨の研修を実施。課長級以下の管理職および一般職に対し、労働基準法に基づいた労働時間、休憩についてのeラーニングを実施
年次有給休暇の取得促進
当社グループでは、グループ各社において、年次有給休暇(年休)の取得促進に向けたさまざまな取り組みを推進しています。
主な施策
- 1.年間取得計画の策定:年初に1年間の休暇スケジュールを個人ごとに策定
- 2.第1連続休暇(連続5日以上)、第2連続休暇(連続3日以上)の設定:休暇設定にあたり、年に2回長期休暇を取得することを推奨
- 3.メモリアルデーの設定(1日/年):好きな時に休める風土の確立
- 4.年休取得奨励日の設定(2日/年目途):休祝日間の平日等を対象に会社が設定
- 5.半日単位での年休取得可:柔軟な年休取得を推進
- 6.管理職の率先した年休取得
2023年度の年次有給休暇取得状況
付与日数 | 22.0日 |
---|---|
取得日数 | 20.3日 |
取得率 | 92.6% |
- ※集計対象:ENEOSホールディングスおよび主要な事業会社(ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属)。
業務の効率化・過剰品質の見直し
当社およびENEOSでは、「働き方改革」によって、いきいきとした働き方やワークライフ・マネジメントを促進し、優秀な人材の確保や育成につなげ、より付加価値の高い仕事に従業員が取り組めるよう努めています。
具体的な取り組みとして、対面×テレワークのベストミックスを通じて「業務の効率化」と「成果の最大化」を実現することを目標としています。そのためには、業務を人に任せる/自分が取り掛かる際には、「いつまで、どこまで、だれがやる!」ということを相互に明確にし業務に取り組むことを促しています。また、以前はテレワークを行う際にも最低週1日は出社としていましたが、この出社日数の基準は撤廃し、自律的な働き方の実践を促しています。
主なワークライフ・マネジメント推進制度
当社グループは、グループ各社において、さまざまなワークライフ・マネジメントを推進する制度を整備しています。
グループ各社の主なワークライフ・マネジメント推進制度
制度名 | 導入会社 | |
---|---|---|
出産・育児 | 配偶者の出産のための特別休暇(有給) | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属 |
育児休業(2歳迄・開始後14日間有給) | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属(無給*) | |
子の養育休暇(有給) | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora | |
子の看護休暇(有給) | ENEOSホールディングス・ENEOS(時間単位取得)、ENEOS Xplora(時間単位取得)、JX金属(無給*) | |
妊産婦保健指導等を受ける時間(有給) | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora | |
育児時間(有給) | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属(無給*) | |
ベビーシッター利用サポート | ENEOS、JX金属 | |
育児補助 | ENEOS、JX金属 | |
事業所内保育所 | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属 | |
妊娠・出産・育児カウンセリングサービス | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属 | |
復職支援金 | JX金属 | |
育児コンシェルジュ | JX金属 | |
介護 | 介護休業(730日・開始後14日間有給) | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora(365日・開始後14日間有給)、 JX金属(無給*) |
介護休暇(有給) | ENEOSホールディングス・ENEOS(時間単位取得)、ENEOS Xplora(時間単位取得)、JX金属(無給*) | |
介護休業給付金/手当 | ENEOS、JX金属 | |
ホームヘルパー補助金 | ENEOS、JX金属 | |
介護補助 | ENEOS、JX金属 | |
電話介護相談サービス | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属 | |
介護退職再雇用制度 | ENEOS Xplora | |
全般 | テレワーク勤務(在宅勤務)制 | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属 |
フレックスタイム制 | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属 | |
短時間勤務制 | ENEOSホールディングス、ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属 | |
私費留学休職制度 | ENEOS | |
配偶者転勤同行休職(退職)制度 | ENEOSホールディングス、ENEOS | |
配偶者転勤同行チャレンジ制度 | ENEOSホールディングス、ENEOS | |
転勤猶予制度 | ENEOSホールディングス、ENEOS | |
キャリア継続支援休業制度 | ENEOS Xplora | |
短日数勤務制度(定年再雇用社員) | ENEOS Xplora | |
積立年次有給休暇 | JX金属 | |
復職制度 | JX金属 |
- ※対象会社:ENEOSホールディングスおよび主要な事業会社(ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属)。
- ※本一覧には公的制度以外の会社独自の制度を掲載。
- *介護と育児に関する休暇は「積立年休」も使用可能(有給)。
2023年度の主な制度利用実績
育児休業取得者数 | 347名(うち男性293名) |
---|---|
男性育児休業取得率 | 70.8% |
出産・育児休業取得後の復職率 | 99.7% |
復職後12カ月の定着率 | 94.7% |
介護休業取得者数 | 3名 |
- ※集計対象:ENEOSホールディングスおよび主要な事業会社(ENEOS、ENEOS Xplora、JX金属)。
テレワークの推進
当社およびENEOSは、従業員個人の事情に配慮した多様な働き方を実現できるよう、テレワーク制度を導入しています。テレワークの推進もしており、従業員が自律的にテレワークとオフィスワークを使い分け、個人および組織の生産性の維持・向上を図っています。なお、足元の本社勤務者のテレワーク率については、3割程度で推移しています。
持株会制度
ENEOSグループは、従業員の財産形成の一助とすることを目的に、従業員持株制度を設定しています。グループ各社の従業員は、持株会を通じて、ENEOSホールディングス株式会社の株式を取得することが可能です。