品質

基本的な考え方

ENEOSグループは、お客様にご満足いただける「高品質で安全・安心な商品・サービスを提供し続けること」および「正確でわかりやすい情報を提供すること」が、お客様からの信頼を獲得し持続的な発展を実現するうえでの重要なテーマと考えています。このような考え方のもと、品質に関する基本原則をグループ行動基準に定めました。
また、グループ各社は、それぞれの事業特性に合わせた品質方針を定め、その方針に基づき、お客様視点での継続的な品質向上に努めています。

ENEOSグループ行動基準(抜粋)
  1. 6.価値ある商品・サービスの提供
    1. (1)私たちは、常に新しい発想と挑戦マインドを持って事業活動を行います。
    2. (2)私たちは、革新的な技術および有用な商品・サービスの開発・提供を通じて、国内外の社会課題の解決に貢献し、お客様の満足と信頼獲得に努めます。
    3. (3)私たちは、商品・サービスの提供にあたり、国内外の基準に準拠し、安全・環境・健康等に関する適切な品質管理およびリスク管理を行うとともに、非常時においても、その安定的な提供に努めます。
    4. (4)私たちは、常にお客様の視点に立ち、商品・サービスに関する適切でわかりやすい表示・説明を行い、お客様からのお問い合わせについては、誠意をもって迅速に対応します。
    5. (5)私たちは、商品・サービスに不具合や問題が生じた場合、原因究明および再発防止の徹底に努めます。
エネルギーグループ品質方針

私たちは、お客様から信頼され、ご満足いただくために、常にお客様の視点に立ち、誠意をもって次のことを実践します。

  1. 1.安全・安心な品質の商品およびサービスの提供
  2. 2.商品およびサービスの品質の継続的改善
  3. 3.正確でわかりやすい情報提供
  • ENEOSおよびそのグループ会社。
JX金属グループ品質基本方針
  1. 1.社会とお客様のニーズを正しく捉え、お客様に信頼され、満足して頂ける製品・サービスを提供する。
  2. 2.安全性・環境保全性に配慮し、開発・設計から納入に至る全てのプロセスにおいて、品質を向上し維持する。
  3. 3.品質マネジメントシステムを構築し、継続的改善と人材育成を行う。
  4. 4.国内外の関連法令や規制を順守し、社会とお客様に品質に関する正確な情報を提供する。

体制

体制については、「ESG経営推進体制」をご参照ください。
また、ENEOSグループは、グループ各社がそれぞれ定めた品質方針に基づいた活動を行い、定期的に活動状況の総括・評価・情報共有を行っています。
なお、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証について、国内外の事業所(下表参照)で取得しています。

ISO9001取得事業所一覧

ENEOS 国内 本社、仙台製油所、川崎製油所、根岸製油所、堺製油所、水島製油所、麻里布製油所、大分製油所、横浜製造所、和歌山製造所、袖ケ浦事業所、鹿島石油(株)鹿島製油所、大阪国際石油精製(株)千葉製油所、ENEOS和歌山石油精製(株)、三共油化工業(株)(本社、工場)、日本合成樹脂(株)、(株)ENEOS NUC(本社、川崎工業所)、ENEOSテクノマテリアル(株)(本社、横浜工場、成田工場)、ENEOS液晶(株)(樹脂販売企画部)、(株)ENEOSマテリアル(四日市工場、千葉工場、鹿島工場)
海外 ENEOS USA Inc.、JX Nippon Oil & Energy Vietnam Co., Ltd.、ENEOS(Thailand) Ltd.、引能仕(広州)潤滑油有限公司、PT. JX Nippon Oil & Energy Lubricants Indonesia、Nippon Chemical Texas Inc.
JX石油開発 中条油業所
JX金属 国内 磯原工場、倉見工場、日立事業所(銅箔製造部)、一関製箔(株)、北茨城精密加工(株)、JX金属コイルセンター(株)(倉見事業所、川崎事業所)、JX金属商事(株)(高槻工場)、JX金属製錬(株)(佐賀関製錬所、日立工場)、JX金属探開(株)、JX金属プレシジョンテクノロジー(株)(江刺工場、那須工場、掛川工場)、タニオビス・ジャパン(株)(本社、水戸工場)、東京電解株式会社、東邦チタニウム(株)(本社・茅ヶ崎工場、日立工場、八幡工場、若松工場、黒部工場)、日本鋳銅(株)(佐賀関工場)、フルウチ化学株式会社
海外 日鉱金属(蘇州)有限公司、無錫日鉱富士精密加工有限公司、JX金属製品(東莞)有限公司、台湾日鉱金属股份有限公司、JX Metals Philippines, Inc.、Materials Service Complex Malaysia Sdn. Bhd.、Materials Service Complex Coil Center (Thailand) Co., Ltd.、JX Metals Korea Co., Ltd.、TANIOBIS GmbH(Goslar)、TANIOBIS Smelting GmbH & Co. KG(Laufenburg)、TANIOBIS Co., Ltd.(Map Ta Phut)
NIPPO 本社、北海道支店、東北支店、関東第一支店、関東第二支店、北信越支店、中部支店、関西支店、四国支店、中国支店、九州支店、建築部門

主な取り組み

製造現場での取り組み

当社グループの製油所・製造所等では、品質苦情・トラブルの撲滅に向け、徹底した未然防止・再発防止活動を推進しています。

品質管理・保証手順の標準化

ENEOSでは、品質保証にかかる制度・業務等を規定した「品質保証要領」を制定し、すべての商品・サービスに適用しています。
また、すべての製油所・製造所で、ISO9001の認証を取得しています。
これに加え、石油製品や石油化学製品の品質管理に関する要求事項をISO9001に基づいて具体的に規定した独自の「品質マネジメントシステム」を構築しました。すべての製油所・製造所に同システムを導入し、その範囲をサプライチェーン全体に拡大する活動をしています。このシステムの特長の1つは、品質管理上のリスクをあらかじめ評価し、リスク低減対策を事前に講じることです。従業員が品質管理上のリスクの分析方法を習得し、自らリスクを抽出してその低減対策を立案することにより、主体的で実効性の高い品質管理を実現しています。
また、製品の品質設計、製造規格の設定にあたっては、法規、JIS規格等の標準規格およびお客様との契約規格を満たすばかりでなく、これまでに培った豊富な経験と知識をデータベースとして活用し、お客様が使用するうえで、トラブルが生じないよう十分な検討を行い、信頼性の高い良質な製品の提供を行っています。

品質苦情・トラブル情報の水平展開活動

ENEOSの製油所・製造所では、発生した品質苦情・トラブル情報をデータベースで共有化し、他の製油所・製造所を交えて組織横断的に再発防止策を検討・展開する仕組みを構築し、品質苦情・トラブルの発生防止に役立てています。

品質管理体制の点検活動

ENEOSでは「品質マネジメントシステム」に基づき、製油所・製造所の品質管理体制の点検を行っています。この点検活動には、「各所自らが実施する内部監査」および「本社品質保証部門が実施する監査」があります。これらの点検活動を通じて、各所の強み・弱みを発掘し、それらを広く展開することで、各所の品質管理体制の強化および同マネジメントシステムの改善を図っています。
2022年度に行ったこれらの点検活動において、2022年度の製品安全および品質にかかる不正事案は、情報とラベリングに関する違反事例を含めて0件でした。引き続き、同マネジメントシステムの活用・改善を通じて、品質保証体制の強化を推進していきます。

品質監査

ENEOSでは、社内要領にのっとり、各部門が自ら「自己監査」を行うとともに、品質保証を統括・所管する独立した部門が「品質監査」を行うことにより、各部門が所管する商品・サービスの品質管理業務および活動を定期的に監査しています。これらの監査を通じて、商品・サービスの品質を適切に維持管理するとともに、継続的な改善を推進しています。
JX金属では、内部品質監査の実施ガイドラインにのっとり、経営層のニーズおよびリスクに応じた内部品質監査プログラムを策定し、品質管理部による品質点検と、各拠点による自主点検を実施しています。内部品質監査の結果は、分析のうえ、経営層が出席する「品質マネジメント会議」に報告し、品質マネジメントシステムの継続的改善に反映しています。

品質管理教育

ENEOSでは、部門ごとに、商品・サービスの品質の確保と継続的改善のために必要な内容および法令・規則・契約・社内規程等についての教育を計画的に実施しています。また、品質保証担当者に対する研修会、化学物質管理にかかわる法規制対応など専門性の高い内容の社内セミナーを開催し、品質保証活動の推進に役立てています。
JX金属グループでは、eラーニングなどを通じて、品質基本方針の周知徹底を行っています。また、品質管理レベルの底上げを目的として、全従業員を対象とした品質管理教育を実施しています。この品質管理教育では、入門コースから上級コースまで受講者のレベルに応じた各種研修プログラムを用意しており、職能レベルや入社年度に応じて計画的な受講を進め、従業員教育の1つとして定着しています。

物流現場での取り組み

ENEOSでは、商品の積み込みから荷卸しまで、安全に、間違いを起こさないよう、輸送会社と協力しながら品質管理に取り組んでいます。
白油(ガソリン・灯油・軽油)を積み込むタンクローリーでは、「混油を防止するためのハイテク装置」の導入を進め設備面の増強を図るとともに、「立会荷卸し(荷卸先のお客様とローリー乗務員との相互立会い)」の徹底を強化するなど運用面での取り組みも並行して実施し、事故防止を図っています。
潤滑油詰品のトラック輸送においても、荷卸し時にお客様とトラック乗務員との間で、「お届け先・品名・荷姿・個数・外観」の確認を行い、また、指差し呼称の励行にて輸送トラブルの防止に努めています。

サービスステーションでの取り組み

ENEOSでは、運営者と協力しながら、サービスステーションにおける商品の品質管理やお客様満足の向上に取り組んでいます。
商品の品質管理については、計量機、地下タンク等の各設備について定期的な点検を行っています。併せて「品質管理マニュアル」等を整備し、水・他油種の混入を未然に防止する日常管理の確実な実施や、万一のトラブル発生時に迅速・的確な対応ができるよう知識・スキルの向上を図っています。

お客様センターでの取り組み

ENEOSに寄せられるお客様の貴重な声は、ENEOSお客様センターで受け付けています。電話やメールによるENEOSに関するさまざまな「お問い合わせ」「苦情」を受け付けるとともに、関係部門と連携して必要な対応を行っています。「お問い合わせ」に対してはわかりやすく丁寧な説明を、「苦情」に対しては迅速かつ誠実な対応を心掛けています。
ENEOSお客様センターで受け付けた「お問い合わせ」「苦情」は、専用システムを介して関係部門に共有し、対応を進めます。専用システムによる管理を実施することで、ENEOSお客様センターは対応状況をいつでも把握することができ、対応が遅れている場合は、関係部門に対して自動的に迅速な対応を促す仕組みとしています。
ご連絡いただいたお客様からの声は、集計・分析を行い、レポートを発行し、役員および関係部門と共有し、苦情の再発防止に役立てています。2022年度は、お客様から24,161件の声が寄せられました。
また、お客様からのお問い合わせに対して、AI(人工知能)が適切な回答を提示する「チャットボットサービス」をウェブサイト上に導入し、ENEOSお客様センター営業時間外のお問い合わせにも24時間365日対応しています。お問い合わせの状況に応じ、定期的に回答内容のアップデートを行うことにより、お客様のご期待に沿う情報提供に寄与しています。