基本的な考え方
ENEOSグループは、操業地域での対話・連携・協働を図り、その地域社会との強固な信頼関係を構築することが、事業活動を継続し、持続的な発展を目指すうえでの重要なテーマと考えています。
このような考え方のもと、社会貢献に関する基本原則をグループ行動基準に定めるとともに、国内外の各事業拠点において、地元企業の活用や現地雇用等を含むさまざまな活動を行うことで、それぞれの地域経済・社会の発展に貢献できるよう努めています。
ENEOSグループ行動基準(抜粋)
- 13.市民社会の発展への貢献
- (1)私たちは、事業活動のあらゆる拠点において、環境、文化、慣習を尊重し、地域社会、自治体、市民団体等との対話・連携・協働を行います。
- (2)私たちは、社会貢献活動を通じて、市民社会の発展に貢献します。
体制
体制については、「ESG経営推進体制」をご参照ください。
活動実績
社会貢献活動支出
2024年度に当社グループが国内外において社会貢献活動を実施するために支出した経費および寄付・提供した金銭・物品等の総額は約20億円でした。
今後もグループ一体となった活動やグループ各社独自の活動など、地域社会と積極的に対話を行い、必要とされる取り組みを進めていきます。
社会貢献活動費の推移
- ※実績値は、社会貢献活動関連の経費および寄付金の合計額です。
主な取り組み
環境の取り組み
環境保全活動「みどりうむアクション produced by ENEOS」
当社は2024年2月から、環境保全活動を身近に感じ、日常的に実施することで持続可能な社会の実現を目指す「みどりうむアクション」を推進しています。
この活動では、人々の環境貢献意識を育む場として、「リアル」では植樹を中心とした環境保全活動の場を提供し、「デジタル」では環境に関心を持つ人同士の交流や、環境について学べるオンラインイベント等に参加できるコミュニティサイトを運営しています。
2024年度は、顕微鏡を使った自然観察会など計5回のイベントを開催し、子ども連れの家族を中心とした参加者に対して、自然と触れ合う機会を提供しました。
みどりうむアクションのイベントの様子
コミュニティサイトアプリ(ダウンロードはこちら)
アプリ・アイコン
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「ENEOSの森」等の森林保全活動の実施
当社グループは、グループ各社においてさまざまな森林保全活動を展開しています。
ENEOSでは、地方自治体や公益社団法人国土緑化推進機構等と協働し、全国6カ所にあるENEOSの森(合計面積:24.88ha、東京ドーム約5.3個分)で間伐や下草刈り等の森林保全活動を展開しています。2024年度は、従業員やその家族、延べ755名が参加しました。
ENEOS Xploraでは、1998年から中条事業所(新潟県)構内および周辺の松林(海岸保安林)の保全に取り組んでいます。2011年に地元自治体と協同で「JX中条の森(現:ENEOS Xplora中条の森)」を発足させ、植栽ボランティアを続けています。14年目を迎えた2024年度は、役員・従業員とその家族71名および近隣の方々が参加し、活動を実施しました。
「ENEOSカード」による緑化推進
ENEOSでは、ENEOSカードの発行を開始した2001年10月から、ENEOSサービスステーションでのご利用金額の一部を公益社団法人国土緑化推進機構に寄付し、次世代の森づくりを担う人材育成事業、植林作業、熱帯林の再生および砂漠化防止等の同機構が実施するさまざまな環境活動の支援に役立てられています。
2024年度分として約5,100万円を寄付し、寄付金の累計は約8億円に達しました。
スポーツの取り組み
「野球教室」「バスケットボールクリニック」の開催
当社グループは、「ENEOS野球部」や女子バスケットボール部「ENEOSサンフラワーズ」の現役選手ならびにOG等による、小中高生を対象とした野球教室・バスケットボールクリニックを全国各地で開催しています。
野球教室
2024年度は、前年度に引き続き小中高生を対象に計10回開催し、532名が参加しました。野球部監督、コーチをはじめ、現役選手が講師として、技術の指導のみならず、野球の魅力を伝えました。
バスケットボールクリニック
2024年度は、全国の小学生から高校生までを対象に計72回開催し、延べ2,484名が参加しました。OGや現役選手が講師として、バスケットボール未経験の方が多く集まるクリニックにも参加し、技術指導のみならずバスケットボールの魅力や楽しさを伝えました。
公益財団法人日本オリンピック委員会とのスポンサー契約締結
ENEOSでは、健康社会を創ること(スポーツを通じたウェルビーイングの実現)を目的に、(公財)日本オリンピック委員会との間でスポンサー契約を締結し、「あらゆる人へのスポーツの機会創出」「次世代育成を通じた心身ともに健全な社会づくり」「安心・安全にスポーツに取り組める環境づくり」を達成すべく、19のスポーツ団体に対して支援を行いました(契約期間:2022年6月から2024年12月末まで)。
障がい者スポーツ支援
公益財団法人日本パラスポーツ協会および日本パラリンピック委員会とのスポンサー契約締結
ENEOSでは、(公財)日本パラスポーツ協会および日本パラリンピック委員会とのスポンサー契約ならびに同スポンサー契約に関連して締結した下表の団体および選手とのスポンサー契約を通じて、パラスポーツの普及促進を図り、世界で活躍するパラアスリートの活動を支援しました。
2025年度からは、ENEOSホールディングスとして、パラスポーツ関連団体およびパラスポーツ選手とスポンサー契約を締結し、引き続き、パラスポーツへの支援を通じてスポーツ振興・ダイバーシティの推進に貢献します。
パラスポーツ関連団体/パラスポーツ選手とのパートナー/スポンサー契約
| 団体/選手名 | 契約プログラム |
|---|---|
| 一般社団法人日本パラ陸上競技連盟 | オフィシャルパートナー |
| 一般社団法人日本車いすテニス協会 | オフィシャルパートナー |
| 大谷 桃子選手(車いすテニス) | 個人スポンサー |
| 鳥海 連志選手(車いすバスケットボール) | 個人スポンサー |
| 神奈川 VANGUARDS (鳥海 連志選手所属の車いすバスケットボールチーム) |
オフィシャルパートナー |
(契約期間:2023年3月から2025年3月)
日本身体障害者野球連盟への協賛
ENEOSは長年にわたり社会人野球チームを運営しています。野球を通じてスポーツ振興や次世代育成に貢献することを目的に、2007年から日本身体障害者野球連盟へ協賛しています。
大会の1つである「全国身体障害者野球大会」は、1993年から続く身体障がい者野球の国内最大規模の大会です。2024年度は、加盟39チームの中から、地区予選成績をもとに選抜された16チームが日本一を目指して戦いました。
ENEOSでは、小中学生の野球チームがENEOS応援観戦サポーターとして、選手たちに声援を送り、大会を盛り上げました。
日本車いすバスケットボール連盟への協賛
ENEOSは長年にわたり女子バスケットボール部を運営しています。バスケットボールを通じたスポーツ振興や次世代の育成を目的に、2006年から日本車いすバスケットボール連盟へ協賛しています。車いすバスケットボールの認知向上・普及促進・次世代選手の育成強化を目指すさまざまな大会や活動の運営をサポートし、支援していきます。
文化的な取り組み
児童福祉施設等で暮らす子どもたちへの奨学支援
当社グループは、社会福祉法人全国社会福祉協議会が設立した「ENEOS奨学助成制度」へ寄付することを通じて、児童福祉施設等で暮らす子どもたちが大学や専門学校等に進学する際の入学支度金を支援しています。
2024年度は682名の子どもたちを助成し、2003年度の制度創設以降の累計受給者数は10,016名です。
ENEOS東燃ゼネラル研究奨励・奨学会への支援
ENEOSは、工業の発展と産業技術の発展のため、ENEOS東燃ゼネラル研究奨励・奨学会を通じて、理工科課程の大学生・大学院生への奨学金の給付および若手研究者への研究助成金を支給しています。
東燃国際奨学財団への支援
ENEOSは、諸外国との友好と広く社会に貢献することを意図し、東燃国際奨学財団を通じて、日本の大学院に在学する外国人留学生へ奨学金を支給しています。
ENEOS Xplora 留学生奨学金
ENEOS Xploraは、2015年度に、日本で学ぶ外国人留学生を対象として「ENEOS Xplora 留学生奨学金」制度を開設して以来、同社が原油や液化天然ガス(LNG)の生産事業等に参画しているパプアニューギニアやインドネシアからの留学生への支援を続けています。
海外での取り組み
ベトナムでの取り組み
当社グループは、事業を展開しているベトナムにおいて、さまざまな社会貢献活動を通じて次世代育成・支援を継続して行っています。
学校等の建設支援
ENEOS Xploraでは、これまでベトナム各地での学校建設への寄付や枯葉剤の影響で障がいのある若年層の方々の社会参加を図るための職業訓練施設への支援を行ってきました。また、学校の教育資機材・備品の充実等の援助を継続して行っています。
学校等の建設支援実績
| 2002年 | ディエン・ビエン省ムンファン小学校 |
|---|---|
| 2005年 | クアン・チー省職業訓練施設 |
| 2007年 | ハナム省タン・チュエン中学校 |
| 2008年 | ハ・ティン省ビンアン中学校 |
| 2009年 | クアン・チー省チヨダイ小学校 |
| 2011年 | ハ・ティン省職業訓練施設 |
| 2012年 | ハイフォン市グエン・ビン・キエム高校 |
| 2013年 | バリア・ブンタウ省グエン・チュン・ト小学校 |
| 2014年 | クアン・チー省チヨダイ小学校(校舎増築) |
| 2015年 | タイ・グエン省スッタク幼稚園 |
| 2016年 | バリア・ブンタウ省ホアマイ幼稚園 |
| 2017年 | ダクノン省グエン・バ・ゴック小学校 |
| 2018年 | クアン・チー省チヨ・チュン中学校 |
| 2023年 | クアン・チー省職業訓練施設(修繕) |
| 2024年 | トゥエン・クアン省トゥ・クアン小学校 |
教育支援
ENEOS Xploraは、2006年から、ベトナムの教育向上を目指す公益団体であるホーチミン教育振興協会を通じて、経済的に恵まれない学生に奨学金を授与する活動に取り組んでいます。2024年度は32名に奨学金を授与しました。
また、ベトナム国営石油会社であるペトロベトナムが、2011年に石油産業を担う人材育成を目的とした石油の総合大学として開校した「ペトロベトナム大学」に対し、開校時に10万USドルを寄付しました。その後も運営資金や奨学金等の支援、インターン生の受け入れ、卒業論文作成指導等を継続して行っています。
マレーシアでの取り組み
ENEOS
Xploraは、オペレータとして事業を推進しているマレーシアにおいて、地域の文化・スポーツイベントへの支援のほか、さまざまな社会貢献活動を行っています。
2024年度は、サラワク州ミリの自然保護区での植樹プログラムと、毎年サラワク州で開催されている「サラワクレガッタ大会」への協賛などを行いました。
地域社会での取り組み
「スポーツ教室」ボランティア活動
ENEOSの堺製油所および水島製油所では、次世代育成への貢献として、地域の子どもたちを対象にしたスポーツ教室を開催しています。講師は、所員が参加するスポーツ班(業務外活動)がボランティアで務めています。
2024年度、堺製油所テニス班は、テニス経験のない小学生を所内のテニスコートに招待して「フェニックスキッズテニス教室」を開催しました。水島製油所サッカー班は、近隣の小学校を訪問し、体育の授業の一環として「出前サッカースクール」を実施しました。
これらの活動は、子どもたちにとってスポーツの楽しさを体感できる貴重な機会となっています。講師を務めた所員にとっても、子どもたちの笑顔や全力で取り組む姿から多くの刺激を受け、地域に貢献できる喜びとやりがいを実感する活動です。
ENEOS児童文化賞受賞者による公演
ENEOSでは、「ENEOS児童文化賞」の受賞者(第11回、1976年)である「劇団風の子」を招き、拠点のある地域の子どもたちに豊かな感性・発想力を育む機会を提供することを目的とし、アウトリーチ公演を開催しています。
2024年度は、川崎、堺、和歌山、水島、麻里布の5拠点で計7回公演を行い、多くの子どもたちへ感動を届けました。
小学校への学習コンテンツ付きノートの無償提供
ENEOSリニューアブル・エナジーでは、地域共創を推進する専門部署を中心に、事業地の皆様と協力しながら、地域活性化に資する取り組みや奨学基金を含む次世代への教育支援など、さまざまな取り組みを実施しています。
次世代教育支援の一環として、学習コンテンツ付きノートを無償で提供しています。ノートは小学1・3・5年生向けの3種類を用意し、環境保全や再生可能エネルギーについて学べるページを毎年刷新して各事業地の小学校に配布しています。
2024年度に制作した5年生向けのノートには、石川県志賀町の紹介とともに、2024年1月の能登半島地震で被災した小学校への応援メッセージキャンペーンを掲載しました。全国から1,000通を超える応援メッセージが寄せられ、志賀町の子どもたちや教職員を含む地域の方々から多くの感謝の声をいただきました。
地域社会との対話の実施
当社グループは、地域に密着した活動を継続していくため、定期的に地域の皆様(自治体、学校関係者、地域住民等)との交流の場を設けています。例えば、製油所・工場見学会、対話集会、意見交換会(懇親会)等を開催したり、地域のイベントに従業員が参加するなどしています。
地域対話では、当社グループの環境・安全に関する取り組みについて、地域の皆様に説明し、対話を進めることで、相互理解を深めていくように努めています。また、地域広報誌を発行するなど、必要な情報をタイムリーに発信し、地域の皆様からの一層の理解と信頼関係の構築に努めています。
自治体等との合同による防災訓練の実施
ENEOSの各製油所・油槽所等では、大規模災害の発生や製油所内の事故を想定した訓練を自治体や所轄消防署等と合同で実施しています。
実践的な訓練を行うことで、災害時における協力体制を強化するとともに、地域の皆様が安心して生活できるように努めています。
ボランティア休暇制度の導入
ENEOSでは、会社の認めるボランティア活動に従業員が参加する際、年間通算3日を上限に特別休暇を認めることとしています(2019年4月制度導入)。
2024年度の取得実績は延べ26名、計36日でした。
被災地などへの支援
当社グループは、大規模災害などによる被災者および被災地への支援を行っています。
