基本的な考え方
ENEOSグループは、操業地域での対話・連携・協働を図り、その地域社会との強固な信頼関係を構築することが、事業活動を継続し、持続的な発展を目指すうえでの重要なテーマと考えています。
このような考え方のもと、社会貢献に関する基本原則をグループ行動基準に定めるとともに、国内外の各事業拠点において、地元企業の活用や現地雇用等を含むさまざまな活動を行うことで、それぞれの地域経済・社会の発展に貢献できるよう努めています。
ENEOSグループ行動基準(抜粋)
- 13.市民社会の発展への貢献
- (1)私たちは、事業活動のあらゆる拠点において、環境、文化、慣習を尊重し、地域社会、自治体、市民団体等との対話・連携・協働を行います。
- (2)私たちは、社会貢献活動を通じて、市民社会の発展に貢献します。
体制
体制については、「ESG経営推進体制」をご参照ください。
活動実績
社会貢献活動支出
2023年度に当社グループが国内外において社会貢献活動を実施するために支出した経費および寄付・提供した金銭・物品等の総額は約19億円でした。
今後もグループ一体となった活動やグループ各社独自の活動など、地域社会と積極的に対話を行い、必要とされる取り組みを進めていきます。
社会貢献活動費の推移
- ※実績値は、社会貢献活動関連の経費および寄付金の合計額です。
主な取り組み
ベトナムでの取り組み
当社グループは、事業を展開しているベトナムにおいて、さまざまな社会貢献活動を通じて次世代育成・支援を継続して行っています。
学校等の建設支援
JX石油開発では、これまでベトナム各地での学校建設への寄付や枯葉剤の影響で障がいのある若年層の方々の社会参加を図るための職業訓練施設への支援を行ってきました。また、学校の教育資機材・備品の充実等の援助を継続して行っています。
学校等の建設支援実績
2002年 | ディエン・ビエン省ムンファン小学校 |
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2005年 | クアン・チー省職業訓練施設 |
2007年 | ハナム省タン・チュエン中学校 |
2008年 | ハ・ティン省ビンアン中学校 |
2009年 | クアン・チー省チヨダイ小学校 |
2011年 | ハ・ティン省職業訓練施設 |
2012年 | ハイフォン市グエン・ビン・キエム高校 |
2013年 | バリア・ブンタウ省グエン・チュン・ト小学校 |
2014年 | クアン・チー省チヨダイ小学校(校舎増築) |
2015年 | タイ・グエン省スッタク幼稚園 |
2016年 | バリア・ブンタウ省ホアマイ幼稚園 |
2017年 | ダクノン省グエン・バ・ゴック小学校 |
2018年 | クアン・チー省チヨ・チュン中学校 |
2023年 | クアン・チー省職業訓練施設(修繕) |
教育支援
JX石油開発は、2006年から、ベトナムの教育向上を目指す公益団体であるホーチミン教育振興協会を通じて、経済的に恵まれない学生に奨学金を授与する活動に取り組んでいます。2023年度は33名に奨学金を授与しました。
また、ベトナム国営石油会社であるペトロベトナムが、2011年に石油産業を担う人材育成を目的とした石油の総合大学として開校した「ペトロベトナム大学」に対し、開校時に10万USドルを寄付しました。その後も運営資金や奨学金等の支援、インターン生の受け入れ、卒業論文作成指導等を継続して行っています。
ENEOS×MOGU童話の花束コンテスト
ENEOSのグループ会社であるENEOS Vietnam Co., Ltd.(ENEV)は、2018年から日越国交樹立45周年記念イベントの1つとして始まり、2023年度で第6回を迎えたベトナム初の創作童話コンテスト「ENEOS×MOGU童話の花束」に協賛しています。
2023年度は、小学生、中学生、一般の3部門で合計3,110作品の応募があり、最優秀作品には中学生の部の『ハッピーフライト』(ダオ・クオン・ズイさん 12歳)が選出されました。
入賞した全18作品をまとめた童話集「童話の花束」を販売し、その売上金を絵本の普及活動資金として寄付しています。
ENEVは、日越両国で子どもたちの健やかな心が育まれるよう、2024年度も絵本の普及活動を支援しています。
マレーシアでの取り組み
JX石油開発は、オペレータとして事業を推進しているマレーシアにおいて、地域の文化・スポーツイベントへの支援のほか、さまざまな社会貢献活動を行っています。
2023年度は、サラワク州ミリの自然保護区での植樹プログラムと、毎年サラワク州で開催されている「サラワクレガッタ大会」に協賛しました。
日本での取り組み
2023年度新たな取り組み
環境保全活動「みどりうむアクション produced by ENEOS」
当社は、2024年2月に、環境をテーマとした新たな活動「みどりうむアクション」を立ち上げました。この活動では「リアル」と「デジタル」の両領域を通じて、組織や企業の枠を超えた環境活動促進の場と人々が環境に関心を持つ機会を創出することで、環境保全活動が身近で日常的である持続可能な社会の実現を目指しています。
人々の環境貢献意識を育む場として、「リアル」では植樹を中心とした環境保全活動の場(活動地第1号:清泉女子大学)を提供し、「デジタル」では環境に関心を持つさまざまな方との交流やオンラインイベント等が可能なコミュニティサイト*を開設しました。
みどりうむアクションでの植樹の様子(清泉女子大学)
コミュニティサイトアプリ(ダウンロードはこちら)
「野球教室」「バスケットボールクリニック」の開催
当社グループは、「ENEOS野球部」や女子バスケットボール部「ENEOSサンフラワーズ」の現役選手ならびにOG等による、小中高生を対象とした野球教室・バスケットボールクリニックを全国各地で開催しています。
野球教室
2023年度は、前年度に引き続き小中高生を対象に計10回開催し、474名が参加しました。野球部監督、コーチをはじめ、現役選手が講師として、技術の指導のみならず、野球の魅力を伝えました。
バスケットボールクリニック
2023年度は、前年度に引き続き小中高生を対象にクリニックを計65回開催し、延べ2,437名が参加しました。OGや現役選手等が講師として、技術の指導のみならず、バスケットボールの楽しさを伝えました。
公益財団法人日本オリンピック委員会とのスポンサー契約締結
ENEOSは、健康社会を創る(スポーツを通じたウェルビーイングの実現)ことを目的に、(公財)日本オリンピック委員会との間でスポンサー契約を締結しています(契約期間:2022年6月から2024年12月末まで)。
本契約を通じて、「あらゆる人へのスポーツの機会創出」「次世代育成を通じた心身ともに健全な社会づくり」「安心・安全にスポーツに取り組める環境づくり」を達成すべく、19のスポーツ団体に対して支援を行っています。
障がい者スポーツ支援
日本車いすバスケットボール連盟への協賛
ENEOSは長年にわたり女子バスケットボール部を運営しています。バスケットボールを通じたスポーツ振興や次世代の育成を目的に、2006年から日本車いすバスケットボール連盟へ協賛しています。車いすバスケットボールの認知向上・普及促進・次世代選手の育成強化を目指すさまざまな大会や活動の運営をサポートし、支援していきます。
日本身体障害者野球連盟への協賛
ENEOSは長年にわたり社会人野球チームを運営しています。野球を通じてスポーツ振興や次世代育成に貢献することを目的に、2007年から日本身体障害者野球連盟へ協賛しています。
大会の1つである「全国身体障害者野球大会」は、1993年から続く身体障がい者野球の国内最大規模の大会です。2023年度は、加盟38チームの中から、地区予選成績をもとに選抜された16チームが日本一を目指して戦いました。ENEOSでは、従業員や少年野球チーム約190名が応援観戦サポーターとして、選手たちに声援を送り、大会を盛り上げました。
公益財団法人日本パラスポーツ協会および日本パラリンピック委員会とのスポンサー契約締結
ENEOSは、パラスポーツの発展と世界で活躍するパラスポーツ選手の育成支援を目的に、(公財)日本パラスポーツ協会および日本パラリンピック委員会との間でスポンサー契約を締結しています(契約期間:2022年6月から2024年12月末)。
また、同スポンサー契約に関連して、下表のとおりパラスポーツ関連団体およびパラスポーツ選手との間でパートナー契約およびスポンサー契約を締結しています(契約期間:2023年3月から2025年3月)。
パラスポーツ関連団体/パラスポーツ選手とのパートナー/スポンサー契約
団体/選手名 | 契約プログラム |
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一般社団法人日本パラ陸上競技連盟 | オフィシャルパートナー |
一般社団法人日本車いすテニス協会 | オフィシャルパートナー |
大谷 桃子選手(車いすテニス) | 個人スポンサー |
鳥海 連志選手(車いすバスケットボール) | 個人スポンサー |
神奈川 VANGUARDS (鳥海 連志選手所属の車いすバスケットボールチーム) |
オフィシャルパートナー |
児童福祉施設等で暮らす子どもたちへの奨学支援
当社グループは、社会福祉法人全国社会福祉協議会が設立した「ENEOS奨学助成制度」へ寄付することを通じて、児童福祉施設等で暮らす子どもたちが大学や専門学校等に進学する際の入学支度金を支援しています。
2023年度は564名の子どもたちを助成し、2003年度の制度創設以降の累計受給者数は9,332名です。
ENEOS児童文化賞受賞者による公演
ENEOSでは、「ENEOS児童文化賞」の受賞者(第11回、1976年)である「劇団風の子」を招き、拠点のある地域の子どもたちに豊かな感性・発想力を育む機会を提供することを目的とし、アウトリーチ公演を開催しています。
2023年度は、仙台、川崎、堺、和歌山、水島、麻里布の6拠点で計6回公演を行い、多くの子どもたちへ感動を届けました。
「銅の学習会」の開催
JX金属では、未来を担う子どもたちに、銅をはじめとする非鉄金属の重要性やその魅力・可能性を知ってもらうため、次世代育成活動を積極的に行っています。その一環として、2023年7月、港区芝地区総合支所主催の小学生を対象とした「芝・ネイチャー大学校」に協賛し、「銅の学習会」を開催しました。今回で5回目の開催となります。
当日は、小学生の親子19組、合計40名が参加し、銅に関するクイズや動画のほか、調味料を用いた10円玉ピカピカ実験、異なる種類の金属の棒を用いた熱伝導実験を通して銅の特性や銅が生活にどのように役立っているかを学ぶ機会を提供しました。また、同社の技術や製品を紹介する「SQUARE LAB」を見学する時間も設けました。
日立シビックセンターへのボールコースター展示設置
JX金属では、2024年4月、茨城県日立市の日立シビックセンター科学館サクリエに「銅の資源循環」をテーマにしたボールコースターを寄贈しました。銅鉱山から銅鉱石を採掘し、製錬所で電気銅を生産、半導体やスマートフォンなどに用いられる電子材料に加工され、最終製品からリサイクルされるまでの流れを表現しています。
4月27日には、同科学館で新展示オープン記念イベントが行われました。イベントでは、地域の子どもたちに銅の性質を身近に体験してもらえるよう、調味料を用いた10円玉ピカピカ実験や銅に関するクイズを行いました。
JX石油開発留学生奨学金
JX石油開発は、2015年度に、日本で学ぶ外国人留学生を対象として「JX石油開発留学生奨学金」制度を開設して以来、同社が原油や液化天然ガス(LNG)の生産事業等に参画しているパプアニューギニアやインドネシアからの留学生への支援を続けています。
ENEOS東燃ゼネラル研究奨励・奨学会への支援
ENEOSは、工業の発展と産業技術の発展のため、ENEOS東燃ゼネラル研究奨励・奨学会を通じて、理工科課程の大学生・大学院生への奨学金の給付および若手研究者への研究助成金を支給しています。
東燃国際奨学財団への支援
ENEOSは、諸外国との友好と広く社会に貢献することを意図し、東燃国際奨学財団を通じて、日本の大学院に在学する外国人留学生へ奨学金を支給しています。
「ENEOSの森」等の森林保全活動の実施
当社グループは、グループ各社においてさまざまな森林保全活動を展開しています。
ENEOSでは、地方自治体や公益社団法人国土緑化推進機構等と協働し、全国6カ所にあるENEOSの森(合計面積:24.88ha、東京ドーム約5.3個分)で間伐や下草刈り等の森林保全活動を展開しています。2023年度は、従業員やその家族、延べ741名が参加しました。
JX石油開発では、1998年から中条油業所(新潟県)構内および周辺の松林(海岸保安林)の保全に取り組んでいます。「JX中条の森」として13年目を迎えた2023年度は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けの変更等を踏まえ、4年ぶりに役員・従業員とその家族69名および近隣の方々が参加し、活動を実施しました。
JX金属では、休廃止鉱山等の跡地を中心に、地元の森林組合などのご協力を得て、森林整備活動を進めています。
「ENEOSカード」による緑化推進
ENEOSでは、ENEOSカードの発行を開始した2001年10月から、ENEOSサービスステーションでのご利用金額の一部を公益社団法人国土緑化推進機構に寄付し、次世代の森づくりを担う人材育成事業、植林作業、熱帯林の再生および砂漠化防止等の同機構が実施するさまざまな環境活動の支援に役立てられています。
2023年度分として約5,100万円を寄付し、寄付金の累計は約7億5千万円に達しました。
「スポーツ教室」ボランティア活動
ENEOSの堺製油所、水島製油所では、次世代育成への貢献として、地域の子どもたちを対象にしたスポーツ教室を開催しています。講師は、所員が参加するスポーツ班(業務外活動)がボランティアで務めています。
2023年度、堺製油所テニス班では、テニス経験のない小学生を所内テニスコートに招待し、「フェニックス キッズテニス教室」を開催しています。水島製油所サッカー班では、近隣小学校で体育の授業の一環として「出前サッカースクール」を実施しています。
同活動を通じて、子どもたちにスポーツの楽しさを知ってもらうとともに、講師を務めた所員も、子どもたちの生き生きとしたプレーから楽しさや、やりがいを感じています。
自治体等との合同による防災訓練の実施
ENEOSの各製油所・油槽所等では、大規模災害の発生や製油所内の事故を想定した訓練を自治体や所轄消防署等と合同で実施しています。
実践的な訓練を行うことで、災害時における協力体制を強化するとともに、地域の皆様が安心して生活できるように努めています。
地域社会との対話の実施
当社グループは、地域に密着した活動を継続していくため、定期的に地域の皆様(自治体、学校関係者、地域住民等)と製油所・工場見学会、対話集会、意見交換会(懇親会)等を開催し、交流の場を設けています。
地域対話では、当社グループの環境・安全に関する取り組みについて、地域の皆様に説明し、対話を進めることで、相互理解を深めていくように努めています。また、地域広報誌を発行するなど、必要な情報をタイムリーに発信し、地域の皆様からの一層の理解と信頼関係の構築に努めています。
ボランティア休暇制度の導入
ENEOSでは、会社の認めるボランティア活動に従業員が参加する際、年間通算3日を上限に特別休暇を認めることとしています(2019年4月制度導入)。
2023年度の取得実績は延べ17名、計29日でした。
被災地などへの支援
当社グループは、大規模災害などによる被災者および被災地への支援を行っています。
2023年度、令和6年能登半島地震に被災された方々や被災地への支援のため、日本赤十字社を通じて3千万円の寄付を実施しました。
2023年度実績
1月 | 令和6年能登半島地震における救援金寄付 | 3千万円 |
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