ガバナンス体制

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と体制

ENEOSホールディングスは、ENEOSグループの事業活動の基礎となる「ENEOSグループ理念」を定め、コーポレートガバナンスを適切に構築・運営することによりこれを実現し、もって、ENEOSグループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ります。
このような認識のもと、当社は、以下のとおり、当社グループのコーポレートガバナンスを構築・運営します。

コーポレートガバナンスに関する基本方針

当社は、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るため、グループの経営における透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組み(コーポレートガバナンス)を構築・運営することを目的に、「ENEOSグループのコーポレートガバナンスに関する基本方針」を制定しています。
これは、東京証券取引所が定める「コーポレートガバナンス・コード」を踏まえて、当社グループのコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方およびその構築・運営に関する事項を体系的かつ網羅的に定めたものです。
なお、この基本方針は、当社の株主をはじめ、当社グループのお客様、お取引先、従業員、地域社会等あらゆるステークホルダーに対するコミットメントとして、当社のウェブサイト等に開示しています。

コーポレートガバナンスの構築・運営に関する基本的事項

1.持株会社としての経営管理
当社は、グループ全体最適の観点から、ENEOSグループ理念、ENEOSグループ行動基準、中長期経営計画・予算等の経営の基本方針(以下「経営の基本方針」という。)の策定、経営資源の配分および各子会社の経営管理を行います。
2.当社と主要な事業会社(ENEOS株式会社、JX石油開発株式会社、JX金属株式会社)の経営体制
当社は、エネルギー事業を中心に据えたグループ運営体制をとるため、当社とENEOS株式会社について、役員の兼任、会議体の一体的運営、管理部門の統合等により経営を一体化します。
JX石油開発株式会社およびJX金属株式会社は、当社が定める経営の基本方針の下、それぞれの事業特性に応じて、自律性・機動性・独立性を高めた業務執行体制を構築します。
3.機関設計
当社は、監査等委員会設置会社とします。
4.取締役会
当社の取締役会は、取締役会長、取締役社長、複数の常勤取締役、各主要な事業会社の社長を兼務する非常勤取締役および社外取締役で構成し、次の方針に基づき運営します。
  1. (1)経営の基本方針の審議・決定および業務執行に対する監督に重点を置きます。
  2. (2)業務執行の機動性の向上を図るため、重要な業務執行の決定の一部を当社の取締役社長に委任します。
  3. (3)当社および主要な事業会社の重要な業務執行案件にかかる投資採算性評価・リスク・進捗等の重要事項について、当社の取締役社長および各主要な事業会社の社長等から報告を受け、経営の基本方針との適合性を検証し、これらを監督します。
5.監査等委員会
  1. (1)当社の監査等委員会は、強力な情報収集力を有する常勤の監査等委員と、豊富な知識・経験に加え、強固な独立性を有する社外取締役である監査等委員とが適切に連携し、高い実効性と客観性をもった組織的かつ体系的な監査を行います。
  2. (2)当社の監査等委員会は、監査等委員が取締役としてそれぞれ有する取締役会における議決権の行使および監査等委員でない取締役の人事・報酬に関する意見陳述権の行使を通じて、業務執行について監督を行います。
6.社外取締役
当社は、社外取締役の豊富な知識・経験を経営に活かすとともに、意思決定の透明性・客観性を確保するため、次の取組みを行います。
  1. (1)当社の取締役会において経営の基本方針を決定するにあたり、その検討段階から社外取締役の関与を求め、多角的な観点から検討・議論を重ねるとともに、重要な業務執行の決定および重要な業務執行の監督にあたっては、社外取締役の意見を踏まえ、経営の基本方針との適合性を十分検証します。
  2. (2)当社の取締役会において当社の取締役等の人事・報酬を決定するにあたり、社外取締役が過半数を占め、かつ社外取締役が議長を務める指名諮問委員会・報酬諮問委員会に諮問することにより、その決定プロセスの透明性を確保します。
7.執行役員および経営会議
  1. (1)当社は、取締役会の決定に基づき機動的に業務を執行する機関として、執行役員を置きます。
  2. (2)当社は、取締役社長が社長執行役員として業務執行を決定するにあたり、社長決裁事項の協議機関として、社長執行役員、副社長執行役員、常務執行役員のうち社長執行役員が指名する者、主要な事業会社の社長等から構成する経営会議を設置し、慎重な審議を経て意思決定を行います。
  3. (3)経営会議には、常勤の監査等委員が出席し、重要な意思決定の過程および業務の執行状況を把握するとともに、これらを他の監査等委員と共有します。
8.主要な事業会社におけるガバナンス体制
  1. (1)各主要な事業会社は、監査役設置会社とします。各主要な事業会社においては、取締役が相互監視機能を十分発揮するための仕組みとして取締役会を設置し、各主要な事業会社自らがリスク分析や経営の基本方針との適合性の検証を十分行います。また、当社の常勤の監査等委員については、ENEOS株式会社の監査役(常勤)を兼務するとともに、JX石油開発株式会社およびJX金属株式会社の非常勤監査役として派遣し、主要な事業会社の取締役の職務執行を監査します。
  2. (2)主要な事業会社の業務執行(当該主要な事業会社の傘下の子会社の重要な業務執行案件を含む。)については、当該主要な事業会社にて決定します。
  3. (3)主要な事業会社は、重要な業務執行の内容その他当社が定める事項を当社に報告します。

コーポレートガバナンス体制(2021年6月25日現在)

取締役会

法令、定款に定める事項、経営の基本方針などを決議し、当社および主要な事業会社の業務執行案件を監督します。

経営会議

社長決裁にあたっての協議機関として、社長執行役員、副社長執行役員、常務執行役員のうち社長執行役員が指名する者、主要な事業会社の社長等から構成する「経営会議」を設置し、定期的に、また、必要に応じて随時、開催しています。
これにより、当社および主要な事業会社の経営陣による慎重な審議の上、適正かつ効率的な意思決定を行います。

コーポレートガバナンス体制早見表(2021年6月25日現在)

項目 内容
機関設計の形態 監査等委員会設置会社
監査等委員でない取締役の人数 11名(社内8、社外3)
監査等委員である取締役の人数 5名(社内2、社外3)
取締役の合計人数 16名(社内10、社外6、うち女性取締役3名)
社外(独立)取締役比率 37.5%
女性取締役比率 18.8%
監査等委員でない取締役の任期 1年
監査等委員である取締役の任期 2年
執行役員制度の採用
取締役の選解任の決定機関 株主総会
取締役の報酬等の限度額等の決定機関 株主総会
社長の意思決定を補佐する機関 経営会議
取締役会の任意諮問機関 指名諮問委員会・報酬諮問委員会(社内2、社外3 議長:社外)
会計監査人の任期 1年

指名諮問委員会・報酬諮問委員会の構成*1と2020年度実績

指名諮問委員会 報酬諮問委員会
概要 当社の取締役候補者の決定プロセスの透明性を確保するため、取締役会の諮問機関として、構成員の過半数を独立した社外取締役とする「指名諮問委員会」を設置し、当社の取締役の人事(選解任を含みます)を諮問しています。指名諮問委員会は、社外取締役3名および代表取締役2名で構成し、社外取締役のうち1名を議長としています。また、当社の取締役会は、指名諮問委員会に、当社の会長および社長ならびに主要な事業会社の社長の後継者計画を諮問することとしています。 取締役および執行役員の報酬等にかかる決定プロセスの透明性・客観性を担保するため、取締役会の諮問機関として、構成員の過半数を独立した社外取締役とする「報酬諮問委員会」を設置しています。報酬諮問委員会は、社外取締役3名および代表取締役2名で構成し、社外取締役のうち1名を議長としています。また、当社の取締役会は、報酬諮問委員会に、取締役および執行役員の報酬等の決定方針、報酬制度および具体的な報酬額を諮問することとしています。
議長 社外取締役(大田弘子)*3 社外取締役(大田弘子)*3
構成*2(議長を含む) 代表取締役2名(杉森務、大田勝幸)*3
社外取締役3名(大田弘子、宮田賀生、工藤泰三)*3
代表取締役2名(杉森務、大田勝幸)*3
社外取締役3名(大田弘子、宮田賀生、工藤泰三)*3
目的 取締役候補者の決定プロセスの透明性の確保 取締役および執行役員の報酬等にかかる決定プロセスの透明性・客観性の担保
2020年度の実績 合計4回開催し、取締役選任候補者案、取締役会の役割と構成等について審議等を行いました。 合計3回開催し、役員報酬体系、役員報酬水準等について審議等を行いました。
  • *1指名諮問委員会・報酬諮問委員会の構成は、2021年6月25日現在のものです。
  • *2独立した客観的な観点から経営の監督を行う社外取締役と、当社グループの経営状況等を最も熟知している代表取締役との間で建設的な議論が交わされるべきと考えているため、指名諮問委員会および報酬諮問委員会の構成員を社外取締役3名および代表取締役2名としています。
  • *3役員については、役員一覧をご参照ください。

取締役会の実効性評価

当社の取締役会は、2016年度から毎年度、実効性の評価を実施し、改善につなげています。
2020年度は、2021年1月に社外を含む全取締役を対象としたアンケートを実施し、取締役会全体の実効性について評価しました。その評価・分析結果を2021年3月26日の取締役会で報告しています。
アンケート結果は、すべての設問で肯定的回答が過半数に達しており、取締役会の実効性はおおむね確保されていると評価しています。
昨年度の実効性評価で示された2つの課題のうち、1つ目の「経営と執行のさらなる分離」については、取締役会での審議事項を整理し、より経営の基本方針の議論に注力することができる環境の整備を進めた点が改善点として評価されました。2つ目の「監督機能の強化」については、事業領域ごとの投資進捗や資本コストを考慮した収益性の報告の充実を図りました。
一方、今回のアンケートにおいて、監督機能のさらなる強化と取締役会での議論の質の充実が課題として挙げられたことを受けて、長期ビジョンや中期経営計画の進捗状況のモニタリング、カーボンニュートラルの議論、新規事業等についての時宜にかなった情報提供等について改善を検討する予定です。

実効性評価のプロセス

取締役候補者の選任方針

当社の取締役会は、自由闊達で建設的な議論・意見交換ができる適切な員数を維持し、取締役個々の知識・経験・能力を考慮しつつ、多様性にも配慮して、メンバーを構成することとしています。また、取締役の3分の1以上を独立社外取締役とするよう努めることとしており、2021年6月25日現在の社外独立役員比率は37.5%です。
当社の監査等委員でない取締役については、高い職業的倫理観を持ち、戦略的な思考力・判断力に優れ、かつ、変化への柔軟性等を有し、グループ全体最適の観点から意思決定と経営の監督ができる者を選任しています。そのうち2名以上は独立社外取締役としています。
当社の監査等委員である取締役については、高い職業的倫理観を持ち、法律・財務・会計等について一定の専門的な知識を備え、取締役の職務執行を適切に監査するとともに、業務執行について適切に監督できる者を選任し、このうち過半数は独立社外取締役としています。

  • * 当社の「独立役員の独立性判断基準」を満たす社外取締役。

社外取締役のサポート体制

当社の監査等委員でない社外取締役3名および監査等委員である社外取締役3名は、いずれも、当社が上場している東京および名古屋の両証券取引所の定めに基づく独立性基準を満たしています。取締役会の議案の資料は原則3日前までに社外取締役に送付するとともに、事前に説明しています。また、社外取締役を含む全監査等委員による監査監督機能充実のため、執行部門から指揮命令系統(人事評価を含みます)を明確に独立させた「監査事務室」を置き、監査等委員の職務を補助する専任スタッフを配置しています。さらに、監査等委員でない社外取締役の職務遂行を支援する「取締役事務室」を設置し、専任スタッフを配置しています。

取締役および主要な事業会社の監査役のトレーニング

当社および主要な事業会社の取締役ならびに主要な事業会社の監査役は、グループ理念を実現し、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るべく職務を遂行する責務を負っています。そのために必要な知識・能力の向上を支援するために、当社および主要な事業会社は、それぞれの取締役ならびに監査役に対して、会社法、内部統制システム、会計・税務、事業戦略、組織等に関する研修を受ける機会を提供するほか、自己研鑽に必要な費用を負担しています。さらに、社外取締役に対しては、就任時に当社グループの事業に関する基本的事項を説明するとともに、就任後も理解を深めるための事業説明会や事業所視察等を実施しています。

2020年度の実績

テーマ 対象 研修内容
会社法、コンプライアンス、
コーポレートガバナンス
新任者 ENEOSグループの運営体制、コンプライアンス、コーポレートガバナンス
内部統制 新任者 ENEOSグループの内部統制の体制
財務・IR 新任者 ENEOSホールディングスの財務の現状と課題、機関投資家の意見等
ENEOSホールディングス・
主要な事業会社の概要
新任者
(社外取締役)
ENEOSホールディングスならびにENEOS、JX石油開発およびJX金属の各事業会社に関する基礎知識
事業所視察 社外取締役 (ENEOS)中央技術研究所、川崎製油所

役員報酬の決定

監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)

監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)の個人別の報酬等の決定方針については、次のとおり定めています。

  1. 1.報酬は、月額報酬、賞与および株式報酬により構成する。
  2. 2.報酬は、当社・主要な事業会社の別、常勤・非常勤の別、取締役・執行役員の役位等に応じて定めるものとする。
  3. 3.賞与は、単年度の期間業績に連動する報酬とし、当該年度の終了後に支払う。
  4. 4.株式報酬は、中期経営計画等の達成状況に連動する報酬とし、当該経営計画期間が終了した後、職務執行した事業年度から一定期間経過後に支払う。
  5. 5.報酬水準、構成割合、業績指標等の決定にあたっては、連結業績、他社の役員報酬水準および構成割合等を勘案するものとする。

なお、各報酬の総額に占める比率は、業績目標等達成時において、月額報酬が約50%、賞与が約30%、株式報酬が約20%となるように設計しています。

監査等委員でない社外取締役

監査等委員でない社外取締役の個人別の報酬等の決定方針については、月額報酬としています。これは、当社の経営に対して指導・助言を行い、併せて、独立した客観的観点から経営の監督を行うという社外取締役の役割を考慮したものです。
当社は、社外取締役が議長を務める報酬諮問委員会(社外取締役3名、代表取締役2名で構成)の審議・答申を経て、取締役会の決議によって、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の決定方針を決定しています。なお、取締役会は、監査等委員会が株主総会において監査等委員でない取締役の報酬に関する意見陳述権を的確に行使できるよう、監査等委員会が選定した監査等委員1名の報酬諮問委員会への出席を認めています。

監査等委員である取締役(社外取締役を含む)

監査等委員である取締役の報酬等については、その職務の独立性という観点から月額報酬とし、各監査等委員である取締役の協議に基づき、下表に示す限度額の範囲内で支給しています。

取締役の報酬等の限度額等

区分 種類 限度額等 株主総会決議 人数(名)
監査等委員でない取締役 月額報酬
および賞与
1事業年度につき11億円以内
(うち監査等委員でない社外取締役分2億円以内)
第8回定時株主総会 13
株式報酬 3事業年度につき
  • 当社から信託への拠出上限額:15億円
  • 対象者に付与される株式数上限:600万株(600万ポイント)
第10回定時株主総会 6
監査等委員である取締役 月額報酬 1事業年度につき2億円以内 第8回定時株主総会 5
  1. ※1監査等委員でない取締役の月額報酬・賞与の限度額には、使用人兼務取締役の使用人分の給与・賞与を含みません。
  2. ※2株式報酬の対象者には、執行役員を含み、社外取締役および国外居住者を含みません。

役員区分ごとの報酬等の額(2020年度分)

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額
(百万円)
対象となる
役員の員数(名)
報酬等の種類別の総額
(百万円)
対象となる
役員の員数(名)
月額報酬 賞与 株式報酬
監査等委員でない取締役
(うち、社外取締役)
882
(43)
362
(43)
15
(3)
395
(-)
126
(-)
10
(-)
監査等委員である取締役
(うち、社外取締役)
108
(40)
108
(40)
7
(4)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
合計
(うち、社外取締役)
990
(83)
470
(83)
22
(7)
395
(-)
126
(-)
10
(-)
  1. ※12020年6月25日開催の第10回定時株主総会終結の時をもって退任した監査等委員でない取締役4名および監査等委員である取締役2名(うち、監査等委員である社外取締役1名)にかかる報酬等の額を含みます。
  2. ※2第11回定時株主総会の終結後に受ける見込みの2020年度にかかる賞与の額を含みます。
  3. ※3賞与および株式報酬は、業績連動報酬等に該当します。また、株式報酬は、非金銭報酬等に該当します。
  4. ※4株式報酬の額は、当社が設定した信託を通じて取得した当社株式にかかる1株当たり平均取得価格に、当該事業年度に付与された基準ポイント数と業績連動係数を乗じたものです。なお、2020年度の株式報酬にかかる業績連動係数は、2022年度の終了後に確定するため、100%と仮定しています。

賞与に関する事項

賞与は、単年度の期間業績に連動する報酬であり、業績達成度に応じて0%から200%(目標:100%)の比率で変動し、月額報酬に基準月数(8カ月)と業績目標達成率を乗じることによって決定します。
業績目標達成率の算定にあたっては、株主還元に影響する指標と実質的な業績を反映した指標を採用すべきという理由から、当社の連結業績である「親会社の所有者に帰属する当期利益」および「調整後連結営業利益」ならびにエネルギー事業の「営業利益」および「調整後営業利益」を業績指標として採用し、その評価ウェイトをそれぞれ25%としています。
2020年度における賞与算定上の業績目標は、2020年度業績見通し(2020年5月公表)に基づき設定しており、業績目標達成率は185%となりました。業績目標達成率の算定の基礎となる各業績指標の実績は、次のとおりです。

各業績指標の実績

業績指標 評価ウェイト 2020年度実績
会社の所有者に帰属する当期利益 25% 1,140億円
調整後連結営業利益 25% 3,066億円
エネルギー事業の営業利益 25% 1,211億円
エネルギー事業の調整後営業利益 25% 1,397億円
  1. ※1「調整後連結営業利益」および「調整後営業利益」は、本業で稼いだ利益を示す営業利益から、固定資産・株式の売却損益、災害による損失等の一過性損益を控除し、算出しています。
  2. ※22020年6月までは、当社の連結業績である「親会社の所有者に帰属する当期利益」および「連結調整後営業利益」を業績指標として採用し、その評価ウェイトをそれぞれ50%としており、その業績目標達成率は192%でした。

株式報酬に関する事項

株式報酬は、連続する3事業年度の期間業績等に連動する報酬であり、業績目標等の達成度に応じて0%から200%(目標:100%)の比率で変動します。1ポイント1株に相当する株式交付ポイントは、対象者の役割に応じた「基準ポイント」に「業績連動係数」を乗じることによって決定します。対象者は、原則として、毎年の基準ポイントの付与から3年経過後に、当社が設定した信託を通じて、株式交付ポイントの数に応じた当社株式の交付を受けます。
業績連動係数の算定については、「中長期的な経営戦略と対象者の報酬制度の連動性を一層高めること」「対象者の企業価値向上への貢献意識および株主重視の経営意識を醸成すること」および「環境保全をはじめとした持続可能な社会の構築に向けた取り組みを推進すること」を理由に、次の業績指標と評価ウェイトを採用しています。
各業績指標にかかる業績目標等は、第2次中期経営計画および第2次中期環境経営計画に基づき設定しており、その実績および達成率は、2022年度の終了後に確定します。

業績指標と評価ウェイト

在庫影響を除いた
営業利益
フリー・キャッシュ・フロー ネットD/Eレシオ ROE 総還元性向 CO2排出削減量
20% 20% 20% 20% 10% 10%
  1. ※1在庫影響を除いた営業利益、フリー・キャッシュ・フローおよびCO2排出削減量については、連結の実績とエネルギー事業の実績を反映し、その評価ウェイトをそれぞれ50%としています。
  2. ※2在庫影響を除いた営業利益、フリー・キャッシュ・フローおよび総還元性向については、2020年度から2022年度までの累計実績に基づきそれぞれの達成率を算定します。
  3. ※3ネットD/EレシオおよびROEについては、2022年度の実績に基づきそれぞれの達成率を算定します。
  4. ※4CO2排出削減量については、2022年度の実績(2009年度比)に基づきその達成率を算定します。

第2次中期経営計画期間にかかる株式報酬の流れ

上場子会社のガバナンスについて

当社は、主要な事業会社であるENEOS、JX石油開発およびJX金属を完全子会社とし、その他のグループ会社は、事業の維持・拡大の必要性に応じて完全子会社、上場子会社等として保有することとしています。上場子会社については、グループ全体として企業価値向上や資本効率性の観点から、上場子会社として維持することが最適なものであるかを定期的に点検するとともに、その合理的理由や上場子会社のガバナンス体制の実効性確保について取締役会で審議することも方針としています。
当社は、上場子会社の一般株主の利益に十分配慮し、実効性のあるガバナンス体制を確保するために、次のとおり上場子会社の独立社外取締役の選解任権限の行使に関する方針を策定しています。

  1. (1)選任権限の行使に関する考え方
    1. ア.取締役の3分の1以上を独立社外取締役とするよう求める。それが直ちに困難な場合は、重要な利益相反取引について、独立社外取締役を中心とした委員会で審議・検討を行う仕組みを導入するよう求める。
    2. イ.独立社外取締役については、次の要件を考慮する。
      1. (ア)高い職業的倫理観を持ち、戦略的な思考力、判断力に優れ、かつ、変化への柔軟性などを有し、併せて、上場子会社としての意思決定と経営の監督を行うことができる者かどうか
      2. (イ)過去10年以内にENEOSグループに所属していない者かどうか
      3. (ウ)独立した立場で一般株主を含む株主共通の利益の保護を考慮し、上場子会社の企業価値向上に貢献できる者かどうか
  2. (2)解任権限の行使に関する考え方
    次のいずれかに該当した場合、各上場子会社の取締役会の決定に従い、独立社外取締役を解任するべく議決権を行使する。
    1. (ア)重大な法令違反があり、ENEOSグループまたは上場子会社グループの名誉を著しく棄損した場合
    2. (イ)職務執行に悪意または重過失があり、ENEOSグループまたは上場子会社グループに著しい損害を与えた場合
    3. (ウ)一般株主の利益を著しく棄損した場合

政策保有株式について

政策保有株式の推移

当社は「ENEOSグループのコーポレートガバナンスに関する基本方針」において、原則として上場会社の株式を保有しないこととしています。ただし、次の株式については、例外的に政策保有株式として保有することとしています。

  1. (1)ENEOSグループの重要な事業の一翼を担う会社の株式
  2. (2)株式を保有することがENEOSグループの事業の維持・拡大のために必要と判断した会社の株式

なお、当社は、上記方針に基づき、当該方針を定めた2015年11月当時に保有していた全銘柄数の65%を売却しています。2020年度においては、8銘柄(45億43百万円)を売却し、新たな政策保有株式は取得していません。

保有の合理性を検証する方法

当社は、政策保有株式の保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を定期的に検証しています。

個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容

当社は、2020年12月開催の取締役会において、政策保有株式について、個別銘柄ごとに保有目的が適切か、保有に伴う便益(取引上の利益額、配当金等のほか、数値化困難な便益を含む)やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、総合的に保有の適否を検証しています。

リスクマネジメント

ENEOSグループは、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」を定め、業務の適正を確保するための体制を整備・運用しています。

全社的リスクマネジメント(ERM)

リスク評価のマトリクス

当社は、グループ経営に関するリスクを適切に識別・分析して的確な対応を図るため、COSO* ERMフレームワークに基づくリスクマネジメント体制を整備・運用しています。
リスク事象(リスクを包含する物事や現象)は、前年度以前に抽出したリスク事象、社内外の変化によるリスクの増大や新たなリスク事象の発生を考慮して抽出し、「影響度」や「発生可能性・緊急度」によるリスク評価基準に基づき、その重要性を評価しています。評価の結果、特に当社グループとして重点的に対応が必要な事象が特定された場合は、当社社長を議長とする経営会議の決裁で「重点対応リスク事象」として選定します。「重点対応リスク事象」は所管部署を定めて対応し、対応状況を経営会議へ報告することでモニタリングします。

  • COSO(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission:トレッドウェイ委員会支援組織委員会)が発表した内部統制のフレームワークで、世界各国で採用されている。

影響度

影響度 定性基準
III グループ全体に重要な影響をもたらす可能性があり、早急に対策を要するレベル
II グループ全体に一定の影響をもたらす可能性があり、具体的な対策を検討する必要があるレベル
I グループ全体への影響はほぼなく、各グループ会社で対応できるレベル

発生可能性・緊急度

  発生可能性(目安) 緊急度(目安)
3(高) すでに発生または発生する可能性が非常に高い 1年以内に対応が必要
2(中) 発生する可能性は低いが中期的に起こり得る 中期的(~3年程度)に検討が必要
1(低) 短・中期的に発生する可能性は非常に低い 長期的(3年超)に検討が必要

主要な事業会社であるENEOS、JX石油開発、JX金属の各社は、それぞれの事業内容や特性に即したリスクマネジメント体制を整備・運用していますが、各社のリスクマネジメント総括部署が相互に連携し、リスク情報の共有化を図っています。各社のリスクマネジメントプロセスにおいて当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスク事象が確認された場合、当社と連携して、当該リスク事象に対応することとしています。

内部統制

内部統制の体系

当社グループは、内部統制部が中心となり、会社法の内部統制、金融商品取引法の内部統制、各組織における内部統制のそれぞれが連動する内部統制システムを整備・運用しています。
各組織の内部統制は、COSOフレームワークに基づき、各組織が自律的に対応できる仕組みを構築し、導入・展開を進めています。2018年度から当社およびENEOSへの導入・展開を進め、2020年度からは海外拠点を含むグループ会社への導入・展開を進めています。
また、2021年度からは、リスク情報のデータベース整備、各種リスク情報の統合と一体的運用の実現など、経営および業務のリスクマネジメントの高度化を目指しています。

内部統制の総括体制

内部統制およびコンプライアンスの総括体制

当社は、「ENEOSグループ内部統制・コンプライアンス委員会」(委員長:内部統制部管掌役員、副委員長:法務部管掌役員)を設置し、ENEOSグループ全般の内部統制システムの継続的な改善を図っています。同委員会は、原則として年2回、内部統制システムの整備・運用状況を確認・評価したうえで、その内容を経営会議に報告しています。
また、内部統制システムの整備・運用状況および当年度の取り組み方針のポイントは、毎年4月に取締役会に報告しています。取締役会は、ENEOSグループ全般の内部統制システムを適正に監視・監督するとともに、運用状況の概要を「株主総会招集ご通知」の事業報告欄に記載することで、説明責任を果たすようにしています。

事業活動におけるリスク評価

当社グループは、事業活動におけるさまざまなリスクに対処するための社内規程類を整備するとともに、新規投資案件の審査において、カントリーリスクや為替変動リスク等のほか、生物多様性や環境法規制等の対応範囲の特定を含む環境リスク、水等を含む原料調達リスク、人権や労働安全衛生面を含む人材リスク等のESG分野のリスクについても分析・評価を行い、必要に応じて、適切な対策を講じています。
例えば、投資案件審査の際には、ステージゲート制度に基づいた審査を実施しています。投資案件の初期検討から実行に至るまでの過程を複数の検討段階(ステージ)に分割し、ステージごとに審議を行っています。審議の際には、ESG分野のリスクを含むさまざまなリスクを、感応度分析、ケース分析等により明確化するとともに、極力リスクを減じる手段を講じるように努めています。また、これらの重要な投資については、一定期間経過後にフォローアップを行い、当初見通しに対する環境変化等による影響を明確にし、その後の事業継続の可否を判断しています。

緊急時対応

当社グループの経営に重大な影響を及ぼす緊急事態が発生した場合、「ENEOSグループ危機・緊急事態対応規程」の定めにのっとり迅速・的確に対応し、被害を最小限に抑える体制を整備しています。
当社グループでは「人命の最優先」「迅速な情報伝達・情報の一元管理」「最善の手段による最速の決定・実行・フォロー」「透明性のある円滑なコミュニケーション」「再発の防止」を緊急時対応の基本姿勢としています。
危機管理部を緊急事態対応にかかる常設の事務局とし、緊急事態発生時には、発生元から直ちに状況、講じた措置の報告を受ける体制を確立しています。
また、緊急事態の重大性に応じて、当社社長を本部長とする対策本部を設置し、本社および現地に対応チームを組織して、機動的・効果的に危機対応に当たることとしています。

感染症対策

当社グループでは、基本方針として、(1)人命尊重を最優先とし、役員・従業員・家族の感染予防・感染拡大防止に全力を傾注する、(2)社会機能維持に必要な当社製品の供給継続に全社を挙げて取り組むことを掲げています。
感染症の流行が経営に重大な影響を及ぼす場合には、当社社長を本部長とする対策本部を設置し、迅速・確実に対策を決定・実行する体制を備えています。
また、ENEOSでは、蔓延期においても石油製品の安定供給責任を果たすべく、本社・支店・製油所等で、それぞれ事業継続計画(BCP)を整備しています。
加えて、従業員の感染予防および感染拡大防止を目的として、日本国内および海外拠点においてマスク・ゴーグル・アルコール消毒液等の計画的備蓄、在宅勤務制度・IT環境の整備に努めています。
2020年初めからの新型コロナウイルス感染症対応では、上記の備えを活かし、感染拡大に応じて次のような対策を講じました。

<対策例>

  1. (1)在宅勤務の積極的推進(生産・流通にかかわる職場を除く)
  2. (2)不要不急の国内出張の自粛
  3. (3)海外出張の禁止
  4. (4)研修・会議のリモート活用
  5. (5)懇親会・イベントの自粛 等

また、特に、ENEOSの製油所・製造所では、感染防止対策に関するガイドラインを作成のうえ、次の事項を含む感染防止対策全般を日常的に点検することで「ウイルスを持ち込まない」「集団感染を徹底的に防止する」旨を徹底し、石油製品の安定供給継続に努めました。

<対策例>

  1. (1)マスク着用・換気の徹底
  2. (2)入構時の従業員・来訪者の検温
  3. (3)食堂・更衣室・浴場等の入場人数制限
  4. (4)通勤時の公共交通機関回避、自家用車使用の推奨
  5. (5)感染拡大地域への往来の自粛 等

情報セキュリティ

当社グループは、「ENEOSグループ情報セキュリティ基本規程」にのっとり、会社の資産である会社情報の不正な使用・開示および漏えいを防止するとともに、会社情報の正確性・信頼性を保ち、改ざんや誤処理を防止し、許可された利用者が必要な時に確実にその会社情報を利用できるようにしています。
また、個人情報保護については「個人情報保護要領」を制定し、個人情報保護法の遵守と、個人情報を適切に取り扱うためのルールを定め、権利保護を図っています。加えて「個人情報保護要領ガイドブック」を従業員に配付することで、法令および社内ルールの浸透を図っています。
2020年度、ENEOSにおいて、顧客の個人情報の漏えいが21件発生し、合計約400件の個人情報が漏えいまたはそのおそれがあることを確認しました。
ENEOSでは「ENEOSグループ危機・緊急事態対応規程」「個人情報保護要領ガイドブック」等において、個人情報等の機密情報が漏えいした場合の社内報告プロセスを定めており、漏えいが発生した場合は、速やかな報告、原因分析と対応に努めるとともに、被害の拡大防止と、再発防止を図っています。今後も個人情報の管理体制を一層強化し、適切な管理に努めます。

サイバーセキュリティ対策

当社グループでは、年々巧妙化するサイバー攻撃から会社の重要な情報やシステムを守るため、当社社長を議長とする「ENEOSグループサイバーセキュリティ会議」を設置しています。同会議においてサイバーセキュリティ対策状況を確認するとともに、経営主導でサイバーセキュリティ対策方針を決定・推進しています。
また、「ENEOSグループ ITセキュリティ基本要領」を制定してグループ各社に周知することで、グループ全体でセキュリティ対策の徹底を図っています。同要領には、グループ各社においてITセキュリティ責任者を任命しITセキュリティ対策の推進・統括をすること、また、要領に違反し会社に損害を与えた場合には、懲戒処分を受けることがある旨を明記しています。
さらに、従業員に対しては、継続的な取り組みとして、不審なメールを受信した際の対応訓練や注意喚起、多言語翻訳した教育資料を使用したグループ全社のセキュリティ教育等を実施しています。

知的財産の保護

当社グループは、会社の有形資産および無形資産の取り扱い、業務上の発明等を知的財産として保護すること、そして第三者の知的財産権を尊重することをグループ行動基準に定めています。
ENEOSでは、専門部署にて、知的財産関連規程(「発明考案規程」)にのっとり、知的財産の適切な管理・運用を行っています。特に、昨今の事業戦略上の知的財産の重要性を鑑み、知的財産の取得・保護・活用による事業への貢献を図っています。また、事業に対するリスクマネジメントの1つとして、第三者の知的財産の無断使用等を防止するために、専門部署と事業・研究部門とが連携して必要な対策を講じています。加えて、知的財産の創出・特許等の調査・契約対応等の教育を従業員に対して実施しており、知的財産に関する意識の向上を図っています。

ENEOSグループ行動基準(抜粋)

  1. 10.会社資産の保全・管理
    1. (1)私たちは、会社の有形資産および無形資産を、適切に維持、管理、保護します。
    2. (2)私たちは、会社の有形資産および無形資産を、業務以外の用途に使用しません。
    3. (3)私たちは、業務上、新たな発明・発見等を行った場合、これを会社の知的財産権として保護します。