化学物質の適正管理
基本的な考え方
ENEOSグループは、取り扱う化学物質について「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」等の法令に基づき、適正管理と排出抑制に努めるとともに、健康や環境への影響が少ないものへの切り替えを進めています。
また、その他の化学物質についても適正に管理しています。
体制
体制については、環境マネジメントをご参照ください。
主な取り組み
各種法規制への対応
PRTR法指定化学物質の管理・監視
当社グループは、PRTR法に基づき、ガソリンに含まれるベンゼン、トルエン、キシレン等の指定化学物質の排出量および移動量を適正に管理・監視しています。
2023年度の排出量は、前年度から81トン減少の2,494トン、移動量は、前年度から331トン増加の675トンでした。
- ※マークについては編集方針をご確認ください。
指定化学物質の排出量

指定化学物質の移動量

- ※上記に関連する詳細データについては、データ編をご参照ください。
PCB*1廃棄物の管理と無害化処理
当社グループは、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)」に基づき、PCB廃棄物の保管の届出および計画的な処理を実施しています。
JX金属苫小牧ケミカルでは、低濃度PCB廃棄物処理の環境大臣認定を取得して無害化処理を行うことで、ストックホルム条約*2の遵守にも貢献しています。
詳細は、低濃度PCB廃棄物の無害化処理事業をご参照ください。
- *1ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、電気絶縁性が優れていることから、主としてトランス(変圧器)、コンデンサ(蓄電器)等の絶縁油や感圧複写機等に使用されていたが、現在は新たな製造・輸入が禁止されている化合物。
- *2PCBを含む残留性有機汚染物質の製造、使用および適正処理等を規定した条約。
国内外法規制への対応
環境保全および安全・健康を確保するため、国内外において化学物質の取り扱いに関する法規制の整備が進められています。化学物質登録制度については、新規に導入するケースおよび既存制度を改正するケースがあります。
当社グループは、国内および国外の法規制に対応する化学物質登録制度(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、欧州REACH規則等)に沿って、物質登録などの必要な処置を行っています。
商品化学物質ガイドラインと化学物質管理への対応
ENEOSでは、化学物質管理基準を自主的に定めています。使用禁止物質(多くの有機塩素化合物、水銀化合物、鉛化合物、フタル酸エステル類等)および使用を監視する物質(トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物等)を定め、商品への使用を管理することにより、その有害性の低減に努めています。
また、SDS*などを通じて、必要な製品の安全性情報をお客様や製品にかかわるすべての方に提供しています。危険有害性・環境影響に関して新たな知見が得られた場合は、速やかにSDSの改訂を行い、最新版をお客様などに提供しています。
- *Safety Data Sheet(安全データシート)。
化学物質の適正管理に資する事業
低濃度PCB廃棄物の無害化処理事業

JX金属苫小牧ケミカルは、2014年3月に北海道内初の低濃度PCB廃棄物の無害化処理施設として環境大臣認定を受けて以降、処理能力の向上に取り組んでいます。
PCBを含む廃棄物の処分については法律により期限が定められており、2027年3月31日までに自ら処分するか、処分を他人に委託する必要があります。一方、低濃度PCB廃棄物そのものだけでなく、トランス本体やドラム缶等の廃棄物を含め焼却処理で無害化できる事業者は、同社を含め全国で25事業者(焼却処理施設)、また洗浄法による事業者は8事業者であり、処分期限内でのPCB廃棄物処理の完了を目指して処理を進めています。
今後も産業廃棄物処理の安定操業を続け、地域社会の環境保全に貢献していきます。
低濃度PCB廃棄物 完全無害化処理フロー

処理品目追加状況
処理品目 | 処理能力 | |
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2014年3月(大臣認定) |
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固体物:6トン/日 (1バッチ2トン×3バッチ) 廃油:8.4KL |
2015年3月 | 自治体と事前協議不要で道外品の受け入れが可能となる。 | |
2015年9月(大臣認定[追加]) | 処理可能サイズ拡大 幅:2.5m/奥行:1.5m/高さ:2.3m | |
処理品目増加
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処理能力増加 固体物:12トン/日 (1バッチ4トン×3バッチ) |
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2018年3月(大臣認定) | 処理品目増加
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2018年9月(大臣認定) | 処理能力増加 固体物:13.7トン/日 廃油:9.4KL |